セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研46:

肝障害と多彩な症状を呈した伝染性単核球症の1例

演者 池田 貴裕(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター)
共同演者 山道 忍(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 澤瀬 寛典(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 松崎 寿久(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 小田 英俊(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 木下 昇(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 山口 宣久(佐世保中央病院 皮膚科), 大里 康雄(佐世保中央病院 耳鼻咽喉科)
抄録 【症例】23歳男性。200X年6月25日37℃の微熱出現。6月26日39℃の発熱を認め、近医受診。インフルエンザA、Bともに陽性でラニナミビル吸入と解熱剤処方を受けた。しかし、その後も発熱が持続するため6月28日別医受診。白血球上昇なく、ウィルス感染症と判断され、漢方薬処方を受けたが、6月30日(第6病日)嘔吐、7月1日(第7病日)黄疸を指摘され、7月2日再診。肝胆道系酵素、ビリルビン上昇を認めたため同日当院紹介となった。末梢血中異型リンパ球出現と腹部CTにて著明な肝脾腫を認めたことより伝染性単核球症を疑い、安静目的に入院となった。肝障害は徐々に軽快認めたが、7月6日(第12病日)体幹・背部に著明な小膨隆発赤疹出現。7月7日(第13病日)より咽頭痛も出現し、徐々に増強。7月8日扁桃の腫脹と白苔付着を認めた。皮疹・扁桃炎はともに対症療法で自然軽快した。入院中提出したウィルス抗体価では抗EBNA抗体陰性、抗VCA-IgG、IgM抗体ともに陽性、サイトメガロウィルス、単純ヘルペスウィルスは陰性であり、EBウィルス初感染による伝染性単核球症であった。【結論】多彩な臨床症状を呈したEBウィルス感染に伴う伝染性単核球症を経験した。発熱・咽頭痛などの上気道炎症状に肝障害や皮疹を認めた場合はEBウィルス感染に伴う伝染性単核球症を考慮すべきと思われた。
索引用語 急性肝炎, EBウィルス