セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年)
|
タイトル |
専60:肝細胞癌との鑑別を要した、肝原発Lymphoepithelioma-like carcinomaの1例
|
演者 |
山田 優里(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
共同演者 |
大園 芳範(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 土持 舞衣(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 岩切 久芳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 蓮池 悟(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 永田 賢治(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野DELIMITER肝疾患センター), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 盛口 清香(宮崎大学医学部病理部), 丸塚 浩助(宮崎大学医学部病理部), 中島 収(久留米大学臨床検査部) |
抄録 |
症例は72歳、女性。約20年前よりC型慢性肝炎に対して肝庇護療法を受けていた。腹部エコーでS5肝表に23mm大の低エコー腫瘤を認め、HCCを疑われ当科に紹介された。腹部造影CTにて同腫瘤は動脈優位相で淡く染影され、平衡相にかけてwash outされた。また肝門部リンパ節腫大も認めた。同腫瘤は造影エコーにてearly vascular phaseで周囲の肝実質と同程度の染影効果を示し、比較的早期よりdefectを呈した。EOB-MRIでは、動脈相~後期相ではいずれも周囲より低信号で、肝細胞相でも低信号であった。血管造影検査ではS5の腫瘤に加え、S5の尾側肺側にも約10mm大のHCC patternを呈する腫瘤を認めた。PET-CTではS5の腫瘤と肝門部腫大リンパ節に一致して、FDG集積を認めた。HCCの腫瘍マーカー(AFP・PIVKA)は正常であった。腫瘍マーカーが陰性であること、腫瘍径に比して動脈血流に乏しくPET-CTでの集積が強いことより典型的なHCCに合致しない点があるも、基礎にC型慢性肝炎が存在することからHCCを疑い、肝S5部分切除術術+12bリンパ節摘出手術を施行した。病理組織学的には、未分化な上皮細胞が充実性・胞巣状に増殖し、高度の慢性炎症細胞浸潤を伴っており、Lymphoepithelioma-like carcinoma(またはリンパ上皮腫様癌)と診断した。リンパ節には転移が認められた。今回我々は肝原発のLymphoepithelioma-like carcinomaの1例を経験した。肝原発のLymphoepithelioma-like carcinomaは非常に稀であり、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
Lymphoepithelioma-like carcinoma, C型慢性肝炎 |