セッション情報 | ワークショップ2「消化器がんの薬物療法」 |
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タイトル | WS2-10:肝動注化学療法時の消化器症状に対する六君子湯の有用性に関する検討 |
演者 | 岩切 久芳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
共同演者 | 山田 優里(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 上原 なつみ(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 鈴木 翔(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 大園 芳範(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 坂口 舞(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 夏田 朱一郎(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 土持 舞衣(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山路 卓巳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 安倍 弘生(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 三池 忠(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 末田 光恵(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 山本 章二朗(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 蓮池 悟(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 永田 賢治(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
抄録 | 【目的】進行肝細胞癌に対する加療法の一つとして肝動注化学療法が挙げられる。同加療は用量が少ないもののシスプラチン(CDDP)を連日投与するレジメンが一般的である。当科ではCDDP:10mg/day+5-FU:250mg/dayを週5日間、連日投与するlow dose FP療法を行っている。制吐剤適正使用ガイドライン上、CDDPは高度催吐性リスク薬剤に分類され、用量に関わらず制吐剤としてDexamethasoneの使用が推奨される。しかし肝細胞癌は、その特性上、基礎に肝硬変や糖尿病を有する事が多く、Dexamethasoneの使用が困難な場合が多い。我々は同加療時の消化器症状に対して六君子湯を併用し、その有用性を検討した。 【対象および方法】2006年5月から2013年7月までに当科にて肝動注化学療法を施行した進行肝細胞癌26症例51件。治療開始時より六君子湯を併用した群と、併用しなかった群で消化器症状の程度を後ろ向きに比較検討した。悪心・嘔吐・食欲不振の程度はCTCAE v4に準じて評価した。また、食事摂取量の低下や治療前後の体重変化に関しても検討を行った。 【結果】六君子湯非併用群は21症例29件、併用群は8症例(3症例重複あり)22件であった。悪心は非併用群でGrade 1が7件(24%)、Grade 2が2件(7%)、併用群でGrade 1が1件(9%)、Grade 2が0件であった。嘔吐は非併用群でGrade 1・Grade2共に1件(3%)で、併用群では認めなかった。食欲不振は非併用群でGrade 1が13件(44%)、Grade 2が5件(17%)、Grade 3が3件(10%)、併用群でGrade 1が5件(22%)、Grade 2が2件(9%)、Grade 3が1件(5%)であった。食事摂取量に関しては両群間に差がなく、体重減少量に関しては併用群に少ない傾向が示唆された。尚、六君子湯に基づく明らかな有害事象は認めなかった。 【結語】Takedaらはラットを用いた研究にて六君子湯は5HT2受容体拮抗薬として作用する成分を有し、CDDPによる食欲不振に有用である可能性があると報告している。今回の検討でも六君子湯併用群は消化器症状出現率の低下を認め、その報告を支持するものと考えられた。また、六君子湯は肝動注化学療法時にも安全に使用可能であった。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 六君子湯 |