セッション情報 ワークショップ3「進行肝細胞癌診療の現状と問題点」

タイトル WS3-08:

当科における進行性肝細胞癌に対する全身化学療法とSorafenibの治療成績の比較検討

演者 蓮池  悟(宮崎大学医学部 消化器血液学)
共同演者 永田 賢治(宮崎大学医学部附属病院肝疾患センター), 山田 優里(宮崎大学医学部 消化器血液学), 上原 なつみ(宮崎大学医学部 消化器血液学), 鈴木 翔(宮崎大学医学部 消化器血液学), 大園 芳範(宮崎大学医学部 消化器血液学), 坂口 舞(宮崎大学医学部 消化器血液学), 夏田 朱一郎(宮崎大学医学部 消化器血液学), 土持 舞衣(宮崎大学医学部 消化器血液学), 山路 卓巳(宮崎大学医学部 消化器血液学), 原田 拓(宮崎大学医学部 消化器血液学), 中村 憲一(県立延岡病院 内科), 安倍 弘生(宮崎大学医学部 消化器血液学), 三池 忠(宮崎大学医学部 消化器血液学), 楠元 寿典(古賀総合病院 内科), 岩切 久芳(宮崎大学医学部 消化器血液学), 末田 光恵(宮崎大学医学部 消化器血液学), 山本 章二朗(宮崎大学医学部 消化器血液学), 下田  和哉(宮崎大学医学部 消化器血液学DELIMITER宮崎大学医学部附属病院肝疾患センター)
抄録 【目的】進行性肝細胞癌、特に肝外転移巣を有する例は予後不良である。“肝細胞がん治療アルゴリズム2010”における治療の第一選択薬はソラフェニブであるが、その効果は現時点では十分とはいいがたい。一方、肝細胞癌に対する全身化学療法は、以前小数例での臨床研究が行われているものの多くは否定的な結果であった。ただ多くは腫瘍縮小効果をendpointとしており、全生存率での詳細な検討はなされていない。当科では、ソラフェニブ承認前、肝外転移を伴う肝細胞癌に対して主にCDDP+5FUによる全身化学療法を行っていたため、治療効果について後方視的に検討した。【方法】2000年12月から現在まで、当科に入院して全身化学療法を行った進行型肝細胞癌症例25例 (A群 男性:女性=21:4, 平均年齢 65歳)とSorafenibによる治療を行った肝細胞癌症例20例 (B群 男性:女性=19:1, 平均年齢 69.8 歳)。患者背景、血液検査所見、RECISTによる最良治療効果、全生存期間について両群を比較、検討した。【成績】原疾患 HBV:HCV:アルコール:非B非C= 10:10:2:3 vs 4:7:3:6 (p=0.28)、 Child Pugh A:B = 17:8 vs 19:1 (p=0.03) , Stage 3:4A:4B 0:5:20 vs 6:1:3 (p=0.008)であり、A群に予備能低下例、進行例が多かった。血液検査成績の平均値では、白血球数4756.vs 5410(p=0.079)、血小板数16.3 vs 23.7 (p=0.056) と有意ではないもののA群で低い傾向にあった。RECISTでの腫瘍制御率は36% vs 26% (p=0.36)であり、有意差はみられなかった。また、Kaplan Meier法における累積生存期間の検討でも、両群に有意な差はみられなかった(中央値346 日 vs 394日, p=0.78, Log Rank test)。 【結論】後方視的な検討、症例数の問題、対象の選択のバイアスなど無視できないものの、現時点では全身化学療法とSorafenibの効果は特に大きな差はみられなかった。
索引用語 肝細胞癌, 治療