セッション情報 医療パネルディスカッション第1部

消化器病学と医療現場のDiscrepancy(乖離)

タイトル SPD1-1:

医療の現場において新規医療機器・医療技術が利用できるまでの道程(薬事承認・保険適用)

演者 久津見 弘(神戸大学消化器内科)
共同演者
抄録 日本で販売される医療機器は薬事法(医薬品医療機器法)に基づき製造販売承認を得ねばならない.新しい医療機器が臨床現場に流通するには,研究開発(医師・アカデミア・企業)→非臨床・臨床試験(医師・アカデミア・企業)→申請(企業)→審査(PMDA)→承認(厚労省)→保険収載(厚労省)→流通(企業)→市販後調査(企業・医師)となる.PMDAでは科学的根拠に基づいて審査が行われる.有効性と安全性が既知の知見と非臨床試験により確認できない場合は治験が必要となる.審査の対象となるデータは,倫理性・信頼性が担保されたGCP準拠であることが要求される.薬事承認されると次に保険適応の申請が行われ,保険医療材料として承認される必要がある.保険医療材料には手技料に包括されるものと,個別に価格が決定できるものに分けられる.市販後は,広く使われた際の有効性・安全性についての調査が行われる.保険収載されていない高度医療に関しては,保険診療と自費診療の混合診療を認めた先進医療制度がある.これらのルールの下,企業は採算性を損なうことなく,行政は国民の健康を守ることを第一に考え,アカデミアは更なるイノベーションを目指し,医師はより良い医療の提供を模索し,それぞれの立場で社会貢献している.最先端の医療をいち早く多くの国民へ提供することが,医療に関わる全ての関係者の責務である.しかし,それを迅速に実現できない原因には,ドラッグラグ・ディバイスラグの問題と,基礎研究→臨床応用→製品化への連携が出来ていない点が挙げられる.この問題を解決するには,互いの役割を理解し協力し合うことが重要である.具体的には,1)開発の早い段階から薬事承認を意識しPMDAとの情報共有(戦略的薬事相談),2)薬事承認に使用可能な質の高い臨床研究の推進,3)信頼性の高いレジストリー構築によるエビデンス提供体制を整えることが重要であり,また,これらに立脚した規制緩和も必要と思われる.
索引用語