セッション情報 特別企画1

完成間近のガイドライン改訂と新ガイドライン作成作業の現状

タイトル SS1-2:

機能性消化管障害(FD)

演者 草野 元康(群馬大学光学医療診療部)
共同演者 三輪 洋人(兵庫医科大学上部消化管科), 本郷 道夫(公立黒川病院)
抄録 機能性ディスペプシア(FD)診療ガイドラインは12名の作成委員(三輪洋人委員長),5名の評価委員(本郷道夫委員長),そして1人のオブザーバー(上村直実先生)で構成されている.2011年7月から2回のFD/IBS合同委員会を経て,2012年11月~2013年9月まで計7回のFD作成委員会が開かれた.委員会では63個のclinical question(CQ)を確定し(第1章:概念・定義・疫学13個,第2章:病態13個,第3章:診断10個,第4章:治療21個,第5章:予後・合併症6個),国際医学情報センターを経て収集された文献からそれぞれのCQに対するステートメントが作成された.作成されたステートメントは必要に応じてGradeシステムによる推奨グレードが作成委員の無記名投票により確定された後,各評価委員およびオブザーバーによる内容の確認が行われた.しかる後,2013年8月には評価委員長および作成委員長が作成した「診断・治療フローチャート(アルゴリズム)」の草案が提示された.2013年9月の最終作成委員会には評価委員長も参加し,ステートメントの最終確認,およびフローチャートに対する討論が行われた.主要な討論内容は,1)内視鏡検査をいつ行うか,2)H.pylori感染の診断と治療をいつ行うか,3)初期治療と2次治療とをどのように区別するか,に集約できる.以上の討論を経て本フローチャートは,1)プライマリケアおよび消化器専門医別に作成し,直ちに内視鏡検査が出来ない場合にはFD疑いとした,2)H.pyloriの診断と治療を必ずしも先行させるのではなく,並列で組み入れた,3)エビデンスに基づき初期治療として酸分泌抑制薬および運動改善薬,2次治療として漢方薬および抗不安・うつ薬とした.その後2013年10月に最終フローチャート案が提示され,2013年11月にはパブリックコメントを求めて本学会のホームページに提示され,2013年12月9日には全ての作業が終了した.本抄録執筆時には2014年春の本学会総会での販売に間に合わせるべく,南江堂での最終的な校正が行われているところである.
索引用語