セッション情報 特別企画1

完成間近のガイドライン改訂と新ガイドライン作成作業の現状

タイトル SS1-6:

完成間近のGERD(胃食道逆流症)ガイドライン改訂と新ガイドライン作成作業の現状

演者 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科)
共同演者 木下 芳一(島根大学第2内科)
抄録 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドラインは2007年までの文献エビデンスに基づく初版が2009年に発刊された.初版から4年間が経過しGERD診療に関する新たな文献エビデンスが多数報告されていることからガイドラインの全面的な改訂が必要となり,改訂作業が行われている.今回の改訂の主な内容は,2007年以降に発表された本邦および海外からの多くの有用なエビデンスを加えることである.主なエビデンスとしては,(1)プロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性GERDの病態・治療・鑑別診断,(2)GERD治療に対する新規PPIの有用性,(3)GERD治療における生活習慣の改善効果(3)バレット食道・腺癌の診断・治療に関するものである.これらの新たなエビデンスを含めたステートメント,推奨度を作成のため,初版の全てのclinical question(CQ),ステートメントの見直しを行っている.CQ見直しに関しては,初版でのCQは47件であったが,改訂版ではCQの修正が行われものが11件,新たに作成されたCQが14件あり,計60件のCQ(疫学5件,病態8件,診断11件,内科的治療9件,外科的治療7件,術後食道炎8件,食道外症状6件,バレット食道6件)が作成され,大幅な改訂となっている.新しいCQでは古い文献も含めて,従来から使用されていたCQでは,2007年以降の文献を中心に系統的な文献検索を行った.現在の改訂作業は文献の収集が終了した所である.今後は文献検索で得られたエビデンスレベルと有用性の高い論文から構造化抄録を従来同様に作成し,ステートメント案が作成されるとともに,GRADEシステムの考え方に基づいて文献エビデンス全体のエビデンスレベルと推奨度が決定される.本シンポジウムでは,改訂ガイドラインの作成過程及び新ステートメント案の一部を報告する予定である.
索引用語