セッション情報 |
特別企画1
完成間近のガイドライン改訂と新ガイドライン作成作業の現状
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タイトル |
SS1-8:炎症性腸疾患診療ガイドラインの改訂と新規作成
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演者 |
上野 文昭(大船中央病院) |
共同演者 |
松井 敏幸(福岡大学筑紫病院消化器内科), 渡辺 守(東京医科歯科大学消化器内科) |
抄録 |
日本消化器病学会によるクローン病診療ガイドラインは,厚生労働省難治性腸管障害に関する調査研究班(渡辺班)の協力の下に開発され,2010年4月に刊行された.その後追加承認された新しい治療法を含めた追補改訂版が2011年10月に公開され,さらに英文版が学術誌に掲載された(J Gastroenterol 2013;48:31-72).本ガイドライン改訂にあたり,潰瘍性大腸炎も含めた炎症性腸疾患ガイドラインを策定することとなった.現在その作業が進捗中であるが,乗り越えなければならない幾つかの障壁が露呈している.まず,クローン病と潰瘍性大腸炎の2疾患を網羅するため,単なる現行版の改訂ではクリニカルクエスチョン(CQ)が膨大な数となり,大幅な絞り込みが必要となった.また,現行のクローン病診療ガイドラインでは患者の視点に立脚したCQが策定されているが,今回採用されるGRADEシステムでは患者の視点に立ちにくいことが判明した.このような理由で,改訂ガイドラインでは,CQの全面的な見直しが行われ,改訂というよりもむしろ新規作成の必要性が高まった.もう一つのより大きな問題点は,経費膨張によりガイドライン開発を支援する委託業者との契約を解消したことである.その経緯は当然と受け止めるにしても,作成委員の負担は大きく増加した.一括した文献情報の提供サービスが消滅し.各委員が独自に選別された文献の収集にあたっている状況である.今後の支援も期待できず.作業を進める上での問題点を作成委員会で検討し,学会事務局と相談しながら,効率のよい改訂を目指している. |
索引用語 |
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