セッション情報 女性消化器医師支援委員会特別企画

トップリーダーに聞く女性医師支援

タイトル SS3-4:

女性外科医の獲得と支援に向けた提言

演者 具 英成(神戸大学肝胆膵外科)
共同演者 木戸 正浩(神戸大学肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大学肝胆膵外科)
抄録 医学,医療の課題として「医師偏在」が指摘されて久しい.偏在は地域だけでなく診療科の間にもあり,とくに外科医の不足は顕著である.厚労省の報告によると1994年に比べ最新2008年では勤務医減少率は外科が最も高く11%となっている.国試合格者でみると女性医師は過去10年間で32%以上で社会進出は定着している.実効性のある対策の一つとしては女性のリクルートが有力となる.外科学会の新規会員は2007年に初めて女性が20%を超え,会員のうち女性は2005年の3.9%から2012年には6.9%にまで上昇した.これらの動きを総合すると女性抜きに外科医の増加は厳しいことが明白となっている.しかし女性医師は35歳時に離職率が25%に達し,働き盛りの時期に出産・育児などが立ちはだかる.すなわち女性の参入は高い離職率への対処とセットでの取り組みが必要であり,さもなければ深刻な外科医不足に陥るリスクを孕むと言えよう.そこで日本外科学会では2006年に女性外科医の支援が重要と考えアクションプログラムの一環として女性外科医支援委員会を設立した.これに呼応して2009年には新たに日本女性外科医会が創設され独自の活動を開始している.現在会員総数は約200名で正会員の女性と男性準会員50名が参加し外科における女性支援に取り組んでいる.一方,神戸大学医学部では女性教員採用比率30%達成を目標に,雇用促進の具体策として3名の助教ポストを創設し消化器外科からも1名が選出された.これらの取り組みを紹介するとともに今後,消化器領域で女性にとって持続可能な勤務環境の実現に何が必要か提言したい.
索引用語