セッション情報 | シンポジウム1消化管幹細胞研究の新たな展開 |
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タイトル | S1-5:消化管上皮幹細胞培養の基盤と応用 |
演者 | 佐藤 俊朗(慶應義塾大学医学部消化器内科) |
共同演者 | Hans Clevers(ヒュブレヒト研究所), 金井 隆典(慶應義塾大学医学部消化器内科) |
抄録 | 消化器組織は体内において最も再生能力の高い組織の1つである.我々は,Wntシグナル活性化により,たった一つの腸管上皮幹細胞から体外で腸管上皮を擬似した3次元組織構造(オルガノイド)を形成させるオルガノイド培養を開発してきた.本培養法はマウス小腸のみならず,ヒト胃・小腸・大腸にも応用できることがわかった.Wntシグナル活性化は消化管組織内の幹細胞制御機構に大きな影響を有し,腸管傷害により幹細胞が死滅した場合,前駆細胞のWnt活性化により脱分化が腸管上皮の幹細胞維持に重要であることがわかってきた.さらに,胆管や膵管は恒常状態では非増殖性であるが,組織傷害によりWntシグナルの活性化と増殖による組織再生が観察された.我々は,この知見を利用することにより,胆管・膵管上皮細胞の永続的なオルガノド培養に成功し,再生医学への応用を示した.このように,Wntシグナルは消化器組織上皮において,胎児期,創傷治癒,体外培養のような組織自己再生時に極めて重要な役割を担っている.本発表では消化器分野の再生医学の視点から最新の消化器幹細胞研究の知見を発表したい. |
索引用語 |