セッション情報 シンポジウム1

消化管幹細胞研究の新たな展開

タイトル S1-6:

培養腸管上皮細胞移植における幹細胞の挙動

演者 中村 哲也(東京医科歯科大学消化管先端治療学)
共同演者 渡辺 守(東京医科歯科大学消化器病態学)
抄録 消化管上皮幹細胞研究が大きく進みつつある.我々はこれまでに,マウス大腸上皮細胞の体外培養技術を開発した(TMDU法).この方法では,正常な大腸上皮細胞を非上皮細胞なしに,無血清培地で,3次元的に培養することが可能となった.また,ここに得られる培養細胞を用いた移植実験の結果,体外培養を経た大腸上皮細胞が,傷害部位の欠損上皮を補充し粘膜修復に寄与しうること,かつこの上皮修復が単一の幹細胞を初発材料とした培養細胞によっても可能であることを報告した.本シンポジウムでは最近目覚ましく進歩しつつあるこれら腸管上皮細胞培養技術を応用し,ここに得られる培養細胞の性状についての新しいデータを提示したい.さらに,マウス培養腸管上皮を用いた移植実験の進捗について,移植幹細胞が傷害上皮に生着し上皮を再生する機構に関わる新知見を報告する予定である.
索引用語