セッション情報 シンポジウム3

難治性GERDの病態と治療

タイトル S3-4:

PPI抵抗性NERDの原因となる食道運動異常症の検討

演者 牟田 和正(九州大学病院病態制御内科学)
共同演者 伊原 栄吉(九州大学病院病態制御内科学), 中村 和彦(九州大学病院病態制御内科学)
抄録 【背景】NERD患者に対するプロトンポンプ阻害薬(PPI)の有効性は満足でない.難治性GERDの病態において,PPI抵抗性NERDが占める割合は多く,この病態解明は重要である.PPI抵抗性NERDの原因の1つに食道運動異常が考えられるが症状との関連性についてはまだ検討すべき点がある.【目的】当院におけるPPI抵抗性NERD患者の病態を食道運動異常の観点から検討した.【方法】2012年11月から2013年9月までに標準量PPI治療にもかかわらずF-scale 8点以上のPPI抵抗性NERD患者45例(男性25例,平均年齢57.7±2.6歳,F-scale 17.8±1.5点)を対象とし,高解像度食道内圧検査(HRM)を実施,シカゴ分類に基づき分類した.【結果】PPI抵抗性NERD患者45例は,Normal 19例,Achalasia 6例,EGJ outflow obstruction 9例,Absent peristalsis 3例,Distal Esophageal Spasm 1例,Frequent Failed Peristalsis 2例,Weak peristalsis 5例に分類され,約58%で食道運動異常を認めた.F-scaleは,Normal 17.6±2.3点に対し,Achalasia 19.0±4.1点,EGJ outflow obstruction 22.9±3.4点,Absent peristalsis 17.3±5.8点,Weak peristalsis 12.0±4.5点で,すべての群で有意な差は認めなかった.治療前後でF scaleの比較は,Preliminaryな結果であるが,食道アカラシア(前24.5±7.1点,後6.5±1.3点),EGJ outflow obstruction(前26.3±10.9点,後7.3±3.5点),Absent peristalsis(前28点,後25点),Weak peristalsis(前8点,後8点)で,AchalasiaとEGJ outflow obstructionにて,治療後症状の改善を認めた.【まとめ】当院におけるPPI抵抗性NERD患者の約58%に食道運動異常を認めた.症状から食道運動異常の有無を推測することは困難で,PPI抵抗性NERD患者の病態解明には積極的にHRM検査を実施することが重要と考えられた.PPI抵抗性NERDの原因の1つに,Achalasia及びEGJ outflow obstructionが考えられた.
索引用語