セッション情報 シンポジウム6

難治性C型肝炎治療の展望

タイトル S6-3:

日本人C型肝炎患者におけるインターフェロンλ4遺伝子多型性の検討

演者 渡辺 久剛(山形大学消化器内科)
共同演者 邵 力(山形大学公衆衛生学), 上野 義之(山形大学消化器内科)
抄録 【目的】近年,HCVの排除と治療効果に強い関連を認める新たなインターフェロン遺伝子(IFNλ4)が報告された.IFNλ4はその欠失体(ΔG)により生成され,HCVの排除や治療応答性を妨げると考えられており,とくにアフリカ系アメリカ人においてはIL28B SNPよりもこの欠失体の存在が治療不応に関連することが示されている.そこで日本人C型肝炎患者において,本SNPの臨床的意義を検討した.【方法】文書で同意を得た570例のC型慢性肝炎患者のIL28BおよびIFNλ4のSNPsを測定しその頻度を比較した.このうち抗ウイルス治療例130例(M:F=62:68,平均年齢55.8±11.5歳,1型:2型=94:36)については,治療効果とこれらSNPとの関連も後ろ向きに検討した.【成績】(1)IL28B SNPの頻度はTT:TG:GG=410(71.9%):146(25.6%):14(2.5%),IFNλ4 SNPの頻度はTT/TT:TT/ΔG:ΔG/ΔG=404(70.9%):152(26.6%):14(2.5%)であり,562例(98.6%)では一致していた.(2)抗ウイルス治療を行ったHCV 1型94例においては,TT/TT群64例全例でIL28B SNPはTTであった.SVRは42例(65.6%)で得られていた.一方,TT/ΔG群28例のSVR率は25%であった.IL28BとIFNλ4 SNPsの不一致例を2例に認め,いずれもIL28B SNPがTTにも関わらずNVRであった.ΔG/ΔG群2例はいずれもNVRであった.HCV 2型ではSNPsの不一致例は認めず,SVR率はTT/TT群63%(17/27),TT/ΔG群67%(6/9)で差を認めなかった.【結論】日本人C型肝炎患者におけるIFNλ4 SNP頻度はIL28B SNPとほぼ一致していた.しかし一部ではIL28B SNPとの不一致例が存在し,そのような例では抗ウイルス治療効果が不良であったことから,IFNλ4 SNPが治療抵抗因子の一つとなり得るか今後さらに検討する必要がある.
索引用語