セッション情報 |
シンポジウム6
難治性C型肝炎治療の展望
|
タイトル |
S6-6:G2C型慢性肝炎例に対するPEG-IFN±リバビリン治療の工夫と限界
|
演者 |
田守 昭博(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学) |
共同演者 |
榎本 大(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学), 河田 則文(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学) |
抄録 |
【背景と目的】C型慢性肝炎に対する抗ウイルス治療の主体はインターフェロン(IFN)からDirect acting antiviral agent(DAA)へと移行しつつありG1型に対するDAA導入が始まっている.一方,G2型に対するDAAは臨床治験の段階でありその適応は明らかではない.そこでG2型標準治療であるIFNの現状と難治例の特徴を検討した.【対象と方法】2006年1月以降PEG-IFN治療を導入した215例(初回IFN治療168例,再治療例47例)である.初回治療例はHCV RNA 5 log/ml未満ではPEG-IFN単独,5 log/ml以上ではリバビリン(RBV)を併用した.RVR症例では治療期間を24週とし,それ以外の症例では36週以上に延長した.再治療例は全例RBV併用治療とした.初回群:年齢53(20-78)歳,性M/F 75/93,2a/2b(106/47),F3-F4;16例,IL28B Major(MA)/non-MA 115/25.再治療群:年齢61(28-69)歳,性M/F 17/30,IL28B MA/non-MA 29/10.前治療IFN単独36例,前治療RBV併用再燃11例.【結果】初回群:HCV RNA 5 log未満にてPEG-IFN単独治療した32例では全例がSVR.RBV併用146例ではSVRは114例(78%),再燃27例,無効5例.無効例の内24週以上治療継続した3例はすべて女性で2a/2b(2/1),IL28B MA/non-MA(2/1).F0,2,3各1例.非RVR20例では36週以上治療継続し,SVR 13例,再燃6例,無効1例.再治療群:SVRは28例(60%),再燃14例,無効4例.無効例はM/F(2/2),2a/2b(3/1),IL28B MA/non-MA(1/2).前治療IFN単独ではSVR 22例,無効3例.前治療RBV併用では7例で36週以上の延長治療を実施しSVR 6例.延長しなかった2例では再燃,無効各1例.【結語】G2型高ウイルス症例では,初回PEG-IFN/RBV併用療法のSVR率は約80%であった.一方,再治療群ではSVR率は低下しておりIFN反応不良例があることが推測された.また無効例が4%存在しG2型高ウイルス症例にもDAAの導入が必要と考える. |
索引用語 |
|