セッション情報 シンポジウム8

生活習慣病と消化器疾患・病態生理学の新たな展開

タイトル S8-17[追]:

メダカモデルを用いた概日リズムの変化による非アルコール性脂肪肝炎の誘導に与える影響の解析

演者 寺井 崇二(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
共同演者 藤澤 浩一(山口大学大学院医学系研究科修復医学教育研究センター), 坂井田 功(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学)
抄録 【目的】我々はメダカNASHモデルを開発し解析してきた(DMM2010).メダカなどの小型魚類は,概日リズムの光同調が知られており,光刺激により体内時計を容易に変調させることが可能である.そこで本研究ではメダカNASHモデルを使って,概日リズムの変化とNASHの誘導との関係を解析した.【方法】メダカは2-3カ月齢のcabメダカを使用し,12時間周期の明暗サイクルで飼育した.さらに午前3時から4時の間の1時間光照射を行った.NASH誘導群としてHFDとEPA欠損食を与えた.期間は1週間および12週間で解析した.肝臓については,我々が開発したHE染色,Oil Red O染色,DPAS染色も行いメダカNASの評価を行い統計解析を行った.【成績】1週間の短期間モデルにおいては光刺激による肝臓への影響が明瞭ではなかった.12週間の高脂肪食および光刺激の後,短期間モデルの場合と同様にHE染色及びD-PAS染色を行いメダカNASを解析した.その結果,高脂肪食投与群ではメダカNASが上昇していることからNASHの誘導が示唆されると共に,高脂肪食投与群においては光刺激により有意なメダカNASの増加が明らかになった(P<0.05).今回用いた深夜の光刺激により,メダカの体内時計が変調し,光刺激中に活動を開始したり,日中の活動量が低下したりしたと思われる.その結果,光刺激中に餌を食べたり,あるいは日中の活動時間が減少したりすることにより摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れたことが考えられる.【結論】今回の確立したモデルから,小型魚類においても概日リズムの変調によりNASHが悪化していることが明らかになり,NASHを含めたメタボリックシンドロームと概日リズムとの関係の解析に小型魚類での研究が有用であることが示唆された.今後は光照射のみで概日リズムの変調が引き起こせる利点のあるメダカを用い,さらにメタボリックシンドロームとの関連について解析を進めていく.
索引用語