抄録 |
EUS‐FNAは保険収載された2010年 4 月以降,病理学的診断を主な目的として本邦でも急速に普及している.膵胆道疾患においては多くは切除不能症例に対して治療前の確定診断を目的として行われているが,時に良悪性鑑別困難例に対して有用な場合も経験する.しかしながら実際のEUS‐FNAにおいては穿刺針の選択に始まり,穿刺手技,そして検体処理やRapid onsite evaluation(ROSE)の必要性に至るまで確立されていないのが実際である.また近年,穿刺針等の開発も相まって様々な診断能向上のため工夫も行われている.一方,治療的EUSは診断的EUS‐FNAと比較して対象となる症例は少ないものの,膵仮性嚢胞やwalled‐off necrosis,膵管・胆管ドレナージを中心にSalvage therapyとしてもその有用性が報告されているが,適応,アプローチルート等に関してコンセンサスが得られているとは言い難い.本シンポジウムでは胆膵疾患におけるInterventional EUSの有用性と問題点について発表していただき,明日からの日常臨床に生かせるような議論をしたい.多数の応募を期待する. |