セッション情報 |
シンポジウム9
膵胆道疾患におけるInterventional EUSの有用性と問題点
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タイトル |
S9-8:超音波内視鏡ガイド下膵仮性嚢胞ドレナージ(EUS-CD)の検討
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演者 |
渡辺 悠人(千葉大学消化器・腎臓内科学) |
共同演者 |
三方 林太郎(千葉大学消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大学消化器・腎臓内科学) |
抄録 |
【目的】膵仮性嚢胞に対する超音波内視鏡ガイド下膵仮性嚢胞ドレナージ(EUS-CD)の成績について検討する.【方法】対象は1999年9月から2013年9月までにEUS-CDを施行した92例101病変(50.3±16.6歳,男性69例,女性23例).嚢胞径は平均90.5±43.6mm,成因は急性膵炎43例,慢性膵炎41例,外傷性5例,膵癌3例.【結果】手技成功は96.0%(97/101)で,ドレナージ法は,内外瘻50回,内瘻26回,外瘻13回,穿刺吸引8回.嚢胞縮小率は全体で87.6%.ドレナージ法別では,内外瘻90.0%(45/50),内瘻84.6%(22/26),外瘻92.3%(12/13),穿刺吸引75.0%(6/8).偶発症は14例(15.2%)に認め,嚢胞内感染5例,出血2例,内瘻ステント迷入3例,限局性腹膜炎2例,他臓器穿刺1例,縦隔気腫1例で,いずれも内科治療で対処し得た.嚢胞非縮小病変は18病変で,経過不詳1病変を除く17病変に追加治療を行った.追加治療は,外瘻追加3病変(内瘻のみでの感染増悪例),内瘻追加1病変,内視鏡的ネクロセクトミー4例,瘻孔拡張術1病変,経乳頭ドレナージ2病変,経皮ドレナージ5病変,手術3病変であった(追加治療が重複した病変あり).改訂Atlanta分類における,WON(Walled-off necrosis)は35例,Pancreatic pseudocystは5例.他,Chronic pseudocystが30例,その他が22例.嚢胞縮小率はWON 76.5%(26/34;穿刺困難例1例を除く),Pancreatic pseudocyst 100.0%(5/5).WONの嚢胞縮小率は,感染有83.3%(10/12),感染無72.7%(16/22)で有意差がなかったが,嚢胞径150mm以上で44.4%(4/9),150mm以下で88.0%(22/25),膵壊死範囲50%以上で40.0%(4/10),50%未満で91.7%(22/24)と有意差を認めた(p=0.03,p=0.005).【結論】EUS-CDは手技成功率が高く,ドレナージ留置による治療効果は良好であった.WONに対する治療効果は,嚢胞径が150mm以上あるいは膵壊死範囲が50%以上の症例で有意に嚢胞縮小率が低く,追加治療を要する症例が多かった. |
索引用語 |
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