セッション情報 |
シンポジウム9
膵胆道疾患におけるInterventional EUSの有用性と問題点
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タイトル |
S9-9:Pancreatic fluid collectionsに対するmetal stentによる超音波内視鏡下ドレナージは有効か?
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演者 |
向井 俊太郎(東京医科大学消化器内科) |
共同演者 |
糸井 隆夫(東京医科大学消化器内科), 森安 史典(東京医科大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】主に急性膵炎後の晩期合併症として発生するPancreatic fluid collections(PCFs)に対する超音波内視鏡下嚢胞ドレナージ術(EUS-CD)と内視鏡的ネクロゼクトミー(DEN)による内視鏡治療の有効性が報告されている.EUS-CDの際にPlastic stent(PS)とENCD catheterを留置する内外瘻ドレナージの方法が一般的である.近年,EUS-CDの際に大口径のMetal stent(MS)を留置する方法が報告され,ドレナージ効果が大きくまたそのままDENを行うことができることからその有効性が期待されている.PSを用いたEUS-CDと比較することによりMSを用いたEUS-CDの有効性,安全性の検討を行った.【方法】2006年2月から2013年7月まで当科で症候性Pancreatic pseudocyst(PPC)11例(PS群9例,MS群2例),Walled-off necrosis(WON)70例(PS群27例,MS群43例)に対してEUS-CDによる治療を行った.EUS-CDのみではドレナージ不良と判断した症例に対してはDENもしくは追加内視鏡ドレナージを行った.PS群,MS群に対して治療成績,安全性の比較検討を行った.【結果】PPCに対して両群(PS群vsMS群)で同等の治療成績であった.(手技成功率100%vs100%,臨床的改善率100%vs100%,早期偶発症率0%vs0%,死亡率0%vs0%)WONに対しても統計学的優位差は認めなかった.(手技成功率100%vs100%,臨床的改善率92.6%vs97.7%p=0.31,早期偶発症率18.5%vs9.3%p=0.26,死亡率7.4%vs2.3%p=0.85,DENを含めた追加処置率30%vs46.5%p=0.16,平均追加処置回数4.1vs2.7p=0.14,両群ともに手術,経皮ドレナージに移行した症例は認めなかった)【結論】PS群,MS群ともに有効性,安全性は統計学的に同等であった.しかしMS群の方がやや偶発症率(特に嚢胞内出血),死亡率が少ない傾向にあった.ただし両者の本質的な比較には費用分析を含めた前向き検討が必須である. |
索引用語 |
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