セッション情報 | シンポジウム10膵癌化学療法の進歩 |
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タイトル | S10-3:膵癌の化学放射線療法 |
演者 | 中村 聡明(京都府立医科大学放射線診断治療学講座) |
共同演者 | |
抄録 | 膵癌に対する放射線療法の主な役割として,切除不能局所進行膵癌に対する根治的化学放射線療法,切除可能膵癌に対する術前化学放射線療法がある. 切除不能局所進行膵癌に対する根治的化学放射線療法は,GEM併用またはS-1併用化学放射線療法にて良好な結果が報告されている.化学放射線療法の利点としては,化学療法単独に比し,2年生存割合などの中長期的な生存割合の向上を図れることや局所制御による疼痛緩和が期待できることなどがある.また導入化学療法は潜在的な遠隔転移を有する症例を選別し,同時化学放射線療法に適する症例群を選別しうる利点がある.本邦では,JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)にて「局所進行膵癌に対するS-1併用放射線療法における導入化学療法の意義に関するランダム化第II相試験」が進行中である. 切除可能膵癌に対する術前化学放射線療法の意義は,切除断端の癌細胞陰性化ができ根治度の向上が期待できることや,術前治療効果を評価することで,潜在した遠隔転移を診断し得ることにある.切除可能膵癌において膵原発巣は手術で切除されるため,放射線治療におけるターゲットは所属リンパ節,膵外神経叢など原発巣周囲の領域となる.本邦では,膵癌補助化学療法研究グループ(JASPAC)や膵癌術前治療研究会(PREP)にて術前化学放射線療法の意義を探る多施設臨床試験が行われており,その結果が待たれる. |
索引用語 |