セッション情報 |
パネルディスカッション1
消化管癌テーラーメード化学療法の進歩
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タイトル |
PD1-2:食道癌治療における治療感受性予測の検討
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演者 |
宮崎 達也(群馬大学病態総合外科) |
共同演者 |
横堀 武彦(群馬大学病態総合外科), 桑野 博行(群馬大学病態総合外科) |
抄録 |
【背景】食道癌の治療成績は手術,化学療法,放射線療法を組み合わせた集学的治療によって向上してきた.しかしながら,個々の症例の治療効果は様々であり,テーラーメイド治療が求められている.教室ではより治療効果を反映する評価法を検討すべくFDG-PETや複数の感受性予測因子の候補となるマーカーを検討している.【対象と方法】(1)術前化学放射線療法(CRT)40Gyを施行したT3:9例,T4:27例を対象にFDG-PETをCRT前,後,術直前に撮影しSUV値の推移について臨床病理学的治療効果との関係を検討した.(2)Docetaxelによる術前化学放射線療法を施行した15症例の生検組織を用いて微小管dynamicsを制御する蛋白の一つで,重合型微小管を脱重合型へ変化させるStathmin,微小管の安定化に関与するTGFBI発現,抗アポトーシス活性をもつMCL1蓄積を介してタキサン系抗癌剤に対する抵抗性を誘導するFBXW7を免疫染色法で評価し,その発現と術後病理学的治療効果判定と比較した.(3)CDDPあるいはCDGPと5-FUを用いた根治的化学放射線療法を施行した65例の治療前生検組織を用いてHIF-1α,p53,p21の発現及びKi67,Apoptosis index(TUNEL法)を求めて治療効果との関連を検討した.【結果】(1)FDG-PETの術前CRT後の手術前SUV値は病理診断でGrade3:1.9±0.6,Grade2:2.8±1.9,Grade1:4.0±1.4で最も治療効果を反映した.(2)Stathmin低発現症例,癌間質TGFBI高発現症例,FBXW高発現症例ではDocetaxel感受性が高かった.in vitroにおいても同様の傾向があった.(3)p53陽性,p21陰性症例に治療効果が低くHIF-1αの発現の低い症例に治療効果が高かった.【結語】治療前後のFDG-PETの評価や分子生物学的マーカーの解析,複数のマーカーの評価により治療効果予測を行うことは食道癌に対するテーラーメイド治療に寄与しうると考えられる. |
索引用語 |
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