セッション情報 | パネルディスカッション3抗血栓薬服用時の消化管傷害・出血の実態とその対策 |
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タイトル | PD3-11:抗凝固療法中の患者へのヘパリン置換による内視鏡治療後出血の検討 |
演者 | 吉村 大輔(済生会福岡総合病院消化器内科) |
共同演者 | 水谷 孝弘(済生会福岡総合病院消化器内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院消化器内科) |
抄録 | 【背景と目的】本邦の現行ガイドラインでは抗凝固薬内服患者への出血高危険手技にはヘパリンへの置換が推奨されている.当院では2006年よりヘパリン置換による内視鏡治療の転帰を前向き検討してきた. 【方法】2006年4月から2013年9月の期間にヘパリン置換を施行した血栓症高危険群の患者への内視鏡治療手技,治療後出血を検討した. 【成績】現行ガイドラインがヘパリン置換を推奨する手技を施行した抗凝固薬内服患者は62例,平均年齢74.1歳,男女比45:17であった.主な治療手技は大腸ESD/EMR 23例,胃ESD/EMR 20例,EST 12例,食道ESD 5例であった.全例に治療から4週間以内の血栓塞栓症は認めなかった.後出血は15例(20.3%)と多く,出血は治療から3日以内が8例,4-7日6例,8日以降1例であった.特に大腸ESD/EMRでは11例(47.8%)に後出血を認め,他の治療手技と比較し圧倒的に高頻度(p<0.001)であった.大腸EMR/ESD群で後出血の有無による腫瘍径には差を認めなかった. 【結論】抗凝固薬のヘパリン置換による内視鏡治療は血栓塞栓症の予防に有効であった一方で,治療から7日間は後出血のリスクが著しく高い期間と考えられた.特に大腸ESD/EMRで高頻度で,治療前の十分な説明が必須である.治療後の絶食期間や腸管攣縮の薬物コントロールなど,今後の介入検討が必要と考える. |
索引用語 |