セッション情報 |
パネルディスカッション3
抗血栓薬服用時の消化管傷害・出血の実態とその対策
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タイトル |
PD3-15:抗血栓薬が憩室出血の入院経過に及ぼす影響
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演者 |
阿部 浩一郎(帝京大学内科) |
共同演者 |
山本 貴嗣(帝京大学内科), 久山 泰(帝京大学内科) |
抄録 |
【目的】大腸憩室は本邦において有病率が高い疾患であり,抗血栓薬が憩室出血発症の危険因子として関与するという報告が散見される.一方で憩室出血症例の多くは入院管理を必要とするが,抗血栓薬内服の有無が入院経過に及ぼす影響を調査した報告は少なくその実態は明らかではない.今回抗血小板薬,抗凝固薬等の抗血栓薬内服が憩室出血症例の入院経過に与える影響を検討した.【方法】2004年1月1日から2013年3月31日までに当院当科に憩室出血で入院した185例(男性130例,女性55例,平均年齢70.4歳)を対象とした.抗血栓薬内服群は91例(男性63例,女性28例,平均年齢74.4歳),非内服群は94例(男性67例,女性27例,平均年齢66.6歳)であった.入院回数,ショック(ショック指数≧1)の有無,輸血の有無,入院中再出血の有無,内視鏡止血可能例,外科手術例,食事開始までの日数,入院期間を検討項目とし内服群と非内服群で比較検討した.ショック,輸血,再出血,内視鏡止血,外科手術に関しては単変量解析を,食事開始日数,入院期間にはt検定を用いた.【結果】入院回数1回の症例は98人で内服者が47人(48%),非内服者が51人(52%),2回以上の症例は33人で内服者が18人(54.5%),非内服者が15人(45.5%)であり,入院回数に因果関係はなかった.重症化,入院中の再出血,内視鏡止血可能例,外科手術例,食事開始までの日数,入院期間の検討においても,内服群と非内服群で統計学的有意差は認められなかった.【結論】今回調査した入院経過の検討項目では抗血栓薬内服の有無による統計学的有意差は認められず,抗血栓薬内服が重症化や入院日数の長期化に必ずしも影響しない可能性があることが示唆された. |
索引用語 |
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