セッション情報 |
パネルディスカッション4
FDの亜分類と治療選択
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タイトル |
PD4-11:acotiamide投薬前後および休薬後の症状および胃排出能について―自己記入式アンケート(VASscale,GSRS,SF-8,PSQI,食習慣)を用いて―
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演者 |
新福 摩弓(日本医科大学消化器内科学) |
共同演者 |
二神 生爾(日本医科大学消化器内科学), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学) |
抄録 |
【目的】現在,FD治療方針はRomeIII分類に基づいたEPS,PDSの亜分類に従い,主に酸分泌抑制薬と消化管運動改善薬を用い,行われている.FDの新規治療薬であるacotiamideはPDS群に対して良好な成績を収めているが,その詳細は不明である.今回我々はFD患者にacotiamideを投与し,興味深い知見を得たので報告する.【方法】RomeIII分類に基づいたFD患者27名に対してacotiamide 300mg/dayを4週間投与した.投与前,投与後,投与中止4週後における治療満足度・症状・食欲をVASスケールで評価した.さらに,腹部症状をGSRS,日常生活のQOLをSF-8,睡眠障害をピッツバーグ質問票(PSQI),不安をSTAI質問表,食習慣を自己記入式アンケートで調査した.血清レプチンはELISA法で測定し,胃排出能を13C-acetateを用いて呼気試験で評価した.【結果】acotiamide(300mg/day)内服前後で,治療満足度が3.67±0.47から5.78±0.57と改善したが,投薬中止4週後に3.60±1.17と増悪した.VASスケールでは,上腹部膨満感に関し5.89±0.64から2.71±0.58と改善を認め,投薬中止後には3.5±1.22とやや増悪傾向を認めた.1日の空腹感はacotiamide投与4週後に3.19±0.41から4.61±0.56と改善し,投薬中止4週後も5.2±1.2と改善傾向を維持した.腹部症状をGSRSで評価をすると2.76±0.29から2.41±0.29と改善を認め,SF-8とSTAIのスコア値はいずれも改善した.PSQI値は5.42±0.76から5.67±0.76と変わらなかった.胃排出能に関して,服薬前後でTmax48.18±2.52からTmax50.17±2.29と有意差は認めなかった.血清レプチン値は服薬前後で3.71±0.96ng/mlから3.78±0.87ng/mlと有意な変化は見られなかった.また,EPS,PDS群別の評価も併せて報告したい.【結論】acotiamide投薬により臨床症状,食欲,QOL,不安度の改善を認めた. |
索引用語 |
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