セッション情報 パネルディスカッション6

IBS病態研究の進歩と本邦における臨床実態―ベンチからベッドサイドまで

タイトル PD6:

司会の言葉

演者 福土 審(東北大学行動医学)
共同演者 中島 淳(横浜市立大学消化器内科)
抄録  過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)の臨床的重要性は日に日に高まっている.その頻度の高さ,患者quality of lifeの障害,医療経済といった実地臨床の側面だけでなく,ゲノム,脳腸ペプチド,消化管運動,内臓知覚,消化管免疫,腸内細菌,バイオマーカー,脳機能画像,心理社会的因子などの多方面にわたる病態生理が研究され,しかもそれらが単にIBSの病態理解だけにとどまらず,生体の恒常性維持機構とその破綻の原理に直結し,治療上も応用できる全体像が見えて来たからである.「腹部不定愁訴があって下部消化管内視鏡で異常がない」という概念は既に過去のものとなり,Rome III基準で診断するのが標準化され,それも2016年には最新の研究成果を反映させたRome IVに改訂されることが決まっている.本パネルでは,IBSの新たな局面を切り開く方策を基礎および臨床の両面から討議する.
索引用語