セッション情報 |
パネルディスカッション7
カプセル内視鏡の臨床応用,新たな展開
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タイトル |
PD7-6:Patency capsuleの開通性評価向上に関するmosaprideの有効性の検討:前向きランダム化比較試験
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演者 |
渡辺 憲治(大阪市立大学・消化器内科学) |
共同演者 |
森本 謙一(大阪市立大学・消化器内科学), 宮嵜 孝子(大阪市立大学・消化器内科学) |
抄録 |
【目的】欧米のAgile Patency Capsuleと異なり,本邦のPillCam Patency Capsule(PPC)の保険適応における消化管開通性評価は嚥下後30~33時間と限定的になっている.この判定条件において開通性有りと評価される確率は,現在進行中の国内多施設共同前向き大規模試験(J-POP Study)などを通じて明らかになっていくと思われるが,本来カプセル内視鏡(CE)が滞留するような狭窄を有しない被検者にとって,規定の判定時間内に確実に消化管開通性を確認できることは重要である.今回我々はPPC検査の消化管開通性判定におけるmosapride併用の有用性について検討した.【方法】2012年6月以降,当院でPPCを施行した症例33例を,mosapride併用群(M群)と非併用群(C群)にランダム化し,消化管開通性の判定結果を比較検討した.mosaprideはPPC嚥下後,1回15mgを2回内服した.原則として絶食せず,嚥下後30時間で体外排出が確認されていない症例で,腹部単純レントゲンKUBにて体外排出か大腸到達が明らかな症例は開通性有と判定した.開通性が証明されなかった症例はバルーン小腸内視鏡検査などを追加し,その原因を検索した.【結果】M群16例,C群17例に割付され,年齢,性別,病名(クローン病,NSAIDs/アスピリン長期服用者)に両群間で有意差はなかった.全体ではM群81.3%(13/16),C群64.7%(11/17)で有意差は認めなかった(P=0.286)が,追加の検索でPPC通過不可能な狭窄を有する症例(M群3例,C群2例)を除外すると,両群の間で有意差を認めた(P=0.044).PPC通過不可能な狭窄以外のPPCが開通性有りと評価不可能な原因として,癒着や腸管蠕動の低下が挙げられた.開通性評価後のCEで滞留例はなかった.【結論】mosaprideによる前処置はPPC嚥下後30時間での開通性評価可能率を向上させる可能性がある.今後更に症例数を増加して検討して参りたい. |
索引用語 |
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