セッション情報 |
パネルディスカッション8
進行肝細胞癌の治療選択
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タイトル |
PD8-5:Vp3/4門脈腫瘍栓合併進行肝細胞癌に対する肝動注化学療法と門脈腫瘍栓への放射線併用療法
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演者 |
相方 浩(広島大学病院消化器代謝内科) |
共同演者 |
藤野 初江(広島大学病院消化器代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院消化器代謝内科) |
抄録 |
【目的】Vp3/4門脈腫瘍栓(PVTT)合併肝細胞癌(肝癌)に対する肝動注化学療法(HAIC)におけるPVTTへの放射線療法(RT)併用の臨床的意義について検討する.【対象と方法】対象は,2013年3月までにHAICを施行した肝癌325例のうち,Vp3/4,肝外転移無し,Child Pugh score7点以下,PS0/1,経過中ソラフェニブ治療歴なしの基準を満たす83例.Vp3/4:47/36例.主腫瘍径69mm.Child-Pugh score 5/6/7:33/32/18例.PS 0/1:72/11例.IFN/5FU:FP,48:35例.PVTTへのRTは,HAIC1コースと併用,一回線量3Gy,総線量30-45Gyを基本とした.RT併用群と非併用群で,主腫瘍とPVTT別の奏効率,time to progression(TTP),survival post progression(SPP),OSについて比較検討した.【結果】1)RT併用群39例,非併用群44例.併用群でVp4症例が有意に多かったが,その他の背景因子に差を認めなかった.総線量/照射回数(中央値):39Gy/13回.2)主腫瘍/PVTT別の奏効率は,併用群30.8/59.0%,非併用群38.6/31.8%と,主腫瘍の奏効率は,両群で差を認めなかったが,PVTTの奏効率は,RT併用群で有意に良好であった(p=0.013).3)TTP/SPP/OSは,併用群3.9/5.8/12.1ヶ月,非併用群6.6/3.8/7.5ヶ月で,全体では両群に有意差を認めなかった.一方,主腫瘍へのHAIC非奏効例では,SPP/OSは,併用群5.2/8.6ヶ月,非併用群1.8/5.1ヶ月と,併用群で有意に良好であり,RT併用は,SPP,OSともに独立寄与因子として抽出された(SPP,HR 2.6,95%CI 1.29-5.42,p=0.008;OS,HR 2.7,95%CI 1.44-4.91,p=0.002).【結語】Vp3/4肝癌に対するHAICにおいて,PVTTへのRT併用は,PVTTに対する局所効果に優れており,HAIC非奏効例における後治療継続と生命予後改善に寄与する. |
索引用語 |
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