セッション情報 パネルディスカッション8

進行肝細胞癌の治療選択

タイトル PD8-10:

高度進行肝細胞癌に対するconversion治療の解析と術後高度進行再発に対する治療開発

演者 田中 真二(東京医科歯科大学肝胆膵外科)
共同演者 藍原 有弘(東京医科歯科大学肝胆膵外科), 田邉 稔(東京医科歯科大学肝胆膵外科)
抄録 【目的】高度進行肝癌に対するconversion治療と切除後の高度進行再発を解析した.【方法】当科の肝癌切除例から,初回診断時には高度進行による切除不能であり化学療法等によって治癒切除が可能となったconversion治療例を解析した.さらに術後高度進行再発を来した症例のゲノム及びトランスクリプトーム解析を行ない,治療標的分子を解明した.【結果】肝癌conversion例の術前療法として,肝動注化学療法(+IFN),分子標的治療,TACE,全身化学療法+IFN,および重粒子線治療併用を行なった.手術は二区域以上が多く,脈管合併切除や胆道再建を伴った.術後3年生存率55%,5年生存率32%であった.術後高度進行再発を呈する肝癌はゲノム不安定性が高く,特徴的な異常分子経路を検出した.前臨床試験によって,二種類の新規分子標的治療の有効性が明らかとなった.【結論】高度進行肝癌に対しては,集学的治療と「肝切除」という切り札を使うタイミングが重要である.術後高度進行再発を標的とするadjuvant therapyが示唆された.
索引用語