セッション情報 パネルディスカッション9

食道胃静脈瘤治療の最前線

タイトル PD9-6:

迅速かつ正確に硬化療法を行うためのデバイス開発

演者 菊池 大輔(虎の門病院消化器内科)
共同演者 川村 祐介(虎の門病院肝臓内科), 貝瀬 満(虎の門病院消化器内科)
抄録 【目的】内視鏡的硬化療法(EIS)において正確な血管内注入は重要である.しかし局注針の操作時に右手を内視鏡から手放すため正確性が損なわれることがある.我々は右手で内視鏡と処置具を同時に操作するためのデバイス(スマートシューター:SS)をトップ社と共同開発しており有用性を検証した.【方法】SSを内視鏡に装着し,その内部に局注針を挿入する(図1).SSを用いると右手で内視鏡を保持し,親指で局注針の操作を行うことが可能となる.切除豚の食道粘膜下層内に採血練習用キット(富双ゴム工業)を5cm埋没し仮想静脈瘤を作製した.2名の内視鏡医が従来法とSSを用いた方法(SS法)を交互に計40回行った.2群間における血管外注入の回数と血管内注入の所要時間を比較した.【結果】従来法での血管外注入は5回であったが,SS法では4回であった.血管内注入までの平均所要時間は従来法で23.8±10.0秒であったが,SS法では19.0±7.8秒と有意(P=0.04)に短縮していた.【結論】SSを用いることで,右手で内視鏡と局注針を同時に操作することが可能となった.SSはEISの血管内注入をより迅速に正確に行うために有用なデバイスである可能性が示唆された.
索引用語