セッション情報 |
パネルディスカッション9
食道胃静脈瘤治療の最前線
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タイトル |
PD9-10:孤立性胃静脈瘤に対する内視鏡治療とB-RTOを併用した治療体系:予防的治療の意義
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演者 |
今井 幸紀(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科) |
共同演者 |
藤井 庸平(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 持田 智(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科) |
抄録 |
【目的】孤立性胃静脈瘤の破裂時止血にはシアノアクリレート(CA)を用いた内視鏡的治療が有効であるが,再出血をきたす症例が少なくない.一方,B-RTOは緊急止血には適さないが,治療成功後の再発が稀で,予防的治療に用いられている.我々は孤立性胃静脈瘤に対して両治療法を組み合わせ,血行動態に基づいて治療体系を構築している.これに基づいて治療した症例の予後を基に,予防的治療の意義を検討した.【方法】対象は2006年1月から2013年9月までに治療した100例(出血41例,予防59例).肝予備能(Child-Pugh)はgrade A 36例,B 54例,C 10例で,66例が食道静脈瘤を合併.出血例は75%CAによるEISで止血し,CTで胃腎短絡路が確認できた症例ではB-RTOを追加,これが存在しない場合とB-RTO不成功例ではEOとCAによるEISを追加した.予防例は胃腎短絡路のない5例を含む全例でB-RTOを実施した.【成績】出血例では自然止血した7例を除く34例でEISを行い,全例で止血が得られた.在院死亡は1例(肝不全死)で救命率は98%.胃腎短絡路は37例で確認され,EISでこれが閉塞した3例と肝予備能不良の4例を除いた30例はB-RTOを実施,胃腎短絡路がない3例とB-RTO不成功の2例はEISを追加した.以上の治療体系で中央値23ヶ月の観察期間中に再出血はなく,B-RTO成功例では胃静脈瘤の再発を認めていない.予防例では58例(98%)でB-RTOに成功し,その後胃静脈瘤の再発はない.全症例の1,3,5年生存率は89%,72%,64%で,出血例と予防例の予後に差異はなかった.食道静脈瘤の1,3,5年増悪率は15%,21%,30%で3例は出血したが致死的ではなかった.【結論】孤立性胃静脈瘤の破裂例は,先ずCAを用いた内視鏡的止血を行い,B-RTOないしEISを追加する治療法が合理的である.この治療体系に準拠することで,胃静脈瘤からの再出血は根絶可能で,予防的治療実施例と同等の予後を達成できた.緊急時の病診連携を確立すれば,治療適応を破裂例に限定することが可能と考えられた. |
索引用語 |
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