セッション情報 |
パネルディスカッション10
AIP―概念,診断,治療のUpdate―
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タイトル |
PD10-9:自己免疫性膵炎ステロイド治療における維持療法と再燃に関する検討
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演者 |
宮澤 正樹(金沢大学消化器内科) |
共同演者 |
加賀谷 尚史(金沢大学消化器内科), 金子 周一(金沢大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】自己免疫性膵炎ステロイド治療において,寛解導入療法に関しては一定のコンセンサスが得られているが,維持療法に関しては維持量および維持期間,再燃予測因子,中止可能症例など不明な点も多い.今回,自己免疫性膵炎のステロイド維持療法と再燃の現状を明らかにし,上記について検討した.【対象と方法】1995年から2013年までに当科および関連施設で自己免疫性膵炎と診断され,ステロイド投与にて寛解が得られた60例(男性49例,女性11例,平均64.3歳)を対象とした.これらを再燃の有無で分け,患者背景,ステロイド初回量および維持量,血清IgG4値,膵腫大の範囲,膵外病変の有無を比較した.また再燃をエンドポイントとして,Kaplan-Meier法(Log-rank検定)およびCox比例ハザードモデルにて再燃に関わる因子を検討した.さらにステロイド維持中止症例から見た中止可能予測の検討も行った.【結果】60例中11例(18.3%)に再燃を認め,再燃群は非再燃群に比して平均年齢が有意に低く(p=0.035),びまん性膵腫大の割合が有意に高く(p=0.016),血清IgG4値が高い傾向にあった(p=0.079).ステロイド投与期間6カ月以上を維持療法ありとすると,再燃群では維持療法なしの割合が多く(p=0.057),維持療法ありでもその投与量が少なかった(p=0.065).性別やステロイド初回量,膵外病変の有無に差は認めなかった.Kaplan-Meier法(Log-rank検定)による検討では,60歳未満(p=0.02),維持療法なし(p=0.01)で有意に再燃率が高かった.年齢,血清IgG4値,ステロイド維持量を用いてCox比例ハザードモデルで多変量解析を行ったところ,ハザード比はそれぞれ0.926,1.002,0.822であった.ステロイド維持中止後の非再燃群は再燃群に比して有意に血清IgG4値が低く(p=0.008),膵外病変が少なかった(p=0.003).【結語】ステロイド維持療法の重要性が改めて明らかとなった.加えて年齢,びまん性膵腫大の有無,血清IgG4値が再燃予測因子となると考えられた.ステロイド維持療法の中止可能を予測する因子として,血清IgG4値,膵外病変の有無が参考になると思われた. |
索引用語 |
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