セッション情報 パネルディスカッション11

IPMNの経過観察,治療のタイミングと予後

タイトル PD11:

司会の言葉

演者 内田 英二(日本医科大学消化器外科)
共同演者 真口 宏介(手稲渓仁会病院消化器病センター)
抄録  IPMNには積極的な手術適応例と経過観察可能例が存在する.国際診療ガイドラインは2012年に改訂され,手術適応を見直し,主膵管型と分枝型の両者に“high‐risk stigmata”と“worrisome feature”を設け,“worrisome feature”には精査を行い経過観察可能とした.このことにより,主膵管径5~9mmの主膵管型,“high‐risk stigmata”のない拡張分枝径3cm以上の分枝型など経過観察例の増加が見込まれる.しかし,安易な経過観察により,転移を伴うIPMN由来浸潤癌に至り根治切除術の機会を逸してしまうことは避けなければならない.一方,分枝型IPMNでは併存膵癌の問題があり,IPMN病変を切除しても残膵に発生する通常型膵癌のriskは残る.従って,有効な経過観察法の確立と切除術を行うべき所見を明確にしていく必要がある.そこで,IPMNの腺癌(high‐grade dysplasia)と由来浸潤癌の特徴を今一度整理すること,長期経過観察成績,経過観察によって由来浸潤癌に至った例および残膵発生を含めた併存膵癌の特徴と予後,などについて討論したい.多数の応募を期待する.
索引用語