セッション情報 |
パネルディスカッション11
IPMNの経過観察,治療のタイミングと予後
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タイトル |
PD11-7:分枝型IPMN切除悪性例の病理学的subtype別の臨床的特徴
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演者 |
越田 真介(仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科) |
共同演者 |
藤田 直孝(仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科), 小林 剛(仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科) |
抄録 |
目的:分枝型IPMN切除悪性例のsubtype別の臨床的特徴を明らかにすること.対象:当施設で膵切除が施行され分枝型IPMNと病理診断された79症例(1988.12-2013.2)のうち,悪性(high grade dysplasia:HGDとIPMN由来浸潤癌:IC)と診断された34例.方法:対象をsubtype 4型(gastric,G;intestinal,I;pancreatobiliary,PB;oncocytic,O)別に背景因子,画像的特徴,再発率,生存率の違いを検討した.対象の内訳:術時年齢65.3±10.6歳,男女比17:17,有症状8例,黄疸7例であった.病理学的悪性度はHGD 14例,IC 20例であった.嚢胞径39.5±13.9mm,主膵管径5.8±2.6mm,壁在結節高11.7±10.9mmであった.5年生存率73%,悪性度別にHGDで100%,ICで55%であった.再発は6例認め,全てICの症例であった.結果:subtype(G/I/PB/O)別の内訳は9/14/8/3で,悪性度別にHGDで0/7/4/3,ICで9/7/4/0で,G型はICのみ,O型はHGDのみであった.背景因子は年齢と性に有意差はみられず,I型とPB型で有症状例が多く(G/I/PB/O=0%/36%/38%/0%),G型で有意に黄疸例が多かった(G/I/PB/O=55%/7%/13%/0%).画像所見で,嚢胞径と主膵管径は4型間に差はなかった.壁在結節高(mm)はG型で有意に低値で(p<0.01,G/I/PB/O=0.3±1.0/15.9±11.2/13.3±4.6/22.3±13.6),非G型は全て7mm以上の壁在結節を有していたが,G型の89%は壁在結節を認めなかった.再発率は有意にG型で高く(p<0.01,G/I/PB/O=55%/14%/13%/0%),5年生存率はG/I/PB/O=33%/88%/88%/100%とG型で予後不良であった.結語:G型以外の3型はいずれも壁在結節高7mm以上の高結節症例で,5年生存率は90%前後と予後良好であった.G型は一般的に予後良好と報告されているが,悪性例に絞った本検討では全例ICでありHGDの段階で切除されている症例はなく,予後不良であった.この群の殆どが壁在結節陰性であり,HGDの段階での早期診断には壁在結節以外の因子からの癌化予測が求められる. |
索引用語 |
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