セッション情報 |
ワークショップ1
アカラシアの治療戦略,治療の第一選択は
|
タイトル |
W1-5:Chicago分類による再発症例の検討
|
演者 |
保坂 浩子(群馬大学医学部附属病院消化器内科) |
共同演者 |
川田 晃世(群馬大学医学部附属病院消化器内科), 栗林 志行(群馬大学医学部附属病院消化器内科) |
抄録 |
【背景】近年high resolution manometry(HRM)の開発に伴いアカラシアの新分類(Chicago分類)が発表され,アカラシアの治療効果は内圧所見と関連していることが報告された.しかし治療後の症状の再発との関連は未だ不明であり,今回検討を行った.【方法】当院で2009~2013年にHRMにて診断された未治療のアカラシア患者48例(男性12例 平均年齢55.8歳)を対象とした.内視鏡的バルーン拡張術は透視下にてRigiflex社製の径30~40mmバルーンを使用し,1回3分間の拡張を複数回行い1クールとした.原則として,治療は日時を空けて3クール行った.治療不奏功を初回治療後に症状が消失せず,直ちに追加治療が必要となったもの,再発を初回治療により症状は消失したが,後日症状が再発した場合と定義した.Chicago分類のtype別に治療不奏功,再発を検討した.【結果】アカラシア患者は,type I(圧上昇なし)18例(50%),type II(水嚥下2/10回以上に全食道で30mmHg以上の圧上昇)26例(43%),type III(水嚥下2/10回以上にspasmあり)4例(7%)であった.初回の治療法は患者の希望により選択され,バルーン拡張術が21例,腹腔鏡下手術(Heller-Dor法)が13例,薬物治療(ニフェジピン)のみが14例であった.治療不奏功例はバルーン拡張術を行った1例(type III)のみであった.再発はバルーン拡張術で21例中3例,全例type Iであった.バルーン拡張術を施行されたtype IIの7例は再発しなかった.薬物治療の14例中3例(すべてtype II)で症状が増悪したため他の治療が必要となった.腹腔鏡下手術後に再発したものはなかった.【結語】外科的治療はtypeに関わらず良好であった.type IIに対する内視鏡的拡張術の成績は良好であった.アカラシアのtype別,治療法別に再発率が異なり,今後のアカラシアの治療法はChicago分類に基づき選択される可能性が示唆された. |
索引用語 |
|