セッション情報 |
ワークショップ2
FGIDの病態生理学と脳腸相関研究の進歩
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タイトル |
W2-3:ストレスによる胃機能異常にはグレリンシグナルの異常が関与する
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演者 |
武藤 修一(北海道医療センター消化器内科) |
共同演者 |
大西 俊介(北海道大・消化器内科), 武田 宏司(北海道大大学院・薬学研究院臨床病態解析学) |
抄録 |
【目的】ディスペプシア症状が,ストレスによって誘発されたり増悪したりすることはよく知られている.この現象にはストレスによる胃機能の変化が関与すると考えられているが,胃運動を強力に促進するグレリンの役割は明確にされていない.本研究は,身体的な拘束ストレスおよび心理社会的な新奇環境ストレスにおいて,胃機能低下にグレリンシグナルの異常が関与するか否かを明らかすることを目的とした.【方法】拘束ストレス負荷はICRマウスを50mLチューブに入れることにより,新奇環境ストレス負荷はC57BL/6Jマウスをグループ飼育から個別飼育に切り替えることにより行った.摂食量,胃排出量,胃運動を測定するとともに,経時的に血漿,胃,視床下部のグレリン濃度および関連遺伝子mRNAを測定した.また,マウスにアシルグレリンを投与し,胃機能に与える影響を検討した.【成績】拘束ストレス負荷後,胃排出および胃運動は有意に低下した.血漿および視床下部のアシルグレリン濃度に変化はなかったが,血漿および視床下部のデスアシルグレリン濃度が増加した.外因性のアシルグレリン投与は,拘束ストレスによる胃排出能低下を改善した.新奇環境ストレス後,摂食量の低下と血漿アシルグレリンの一過性低下が認められた.アシルグレリン投与は,新奇環境ストレスによる摂食量低下を改善した.【結論】拘束ストレスではデスアシルグレリンの増加が,新奇環境ストレスではアシルグレリンの低下が関与することが明らかとなった.いずれの場合も,アシルグレリンの投与が有効であり,ストレスによるグレリンシグナルの低下が胃機能異常を引き起こすと考えられる. |
索引用語 |
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