セッション情報 |
ワークショップ3
食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
|
タイトル |
W3-6:ヨード染色,画像強調拡大観察併用内視鏡検査による食道,咽頭領域多重癌のスクリーニング,サーベイランスに関する検討
|
演者 |
堀 圭介(岡山大学病院光学医療診療部) |
共同演者 |
河原 祥朗(岡山大学病院光学医療診療部), 岡田 裕之(岡山大学病院光学医療診療部) |
抄録 |
【背景】食道発癌患者において食道,頭頸部領域に同時性,異時性多重癌の発症リスクは高く厳重なスクリーニング,サーベイランスを要すると報告されている.【目的】食道表在癌内視鏡治療症例に対するヨード染色,画像強調拡大観察併用内視鏡による食道,咽頭領域多重癌の発見率,及び経過観察間隔の妥当性を検討する.【対象】2006年4月から2013年8月までに内視鏡治療を施行した食道表在癌172症例257病変.【方法】食道内視鏡的治療前,治療後2ヶ月,6ヶ月後,及び1年経過後1年毎にヨード染色,画像強調拡大観察併用内視鏡検査による精査を施行した.同時性,異時性多重癌発症率,異時性食道表在癌の深達度より経過観察間隔の妥当性を検討した.【結果】食道表在癌内視鏡的治療症例172症例中,食道多発癌は36症例(21.0%).うち2病変22例,3病変10例,4病変4例であった.同期性頭頸部癌は14症例(8.1%)に認められた.異時性多重癌の検討では,定期的経過観察を1年以上施行し得た86症例中19症例(22.1%)に異時性食道多発癌31病変,8症例(9.3%)に異時性咽頭重複癌を発見した.異時性食道多発癌の累積3年,5年発発見率は19%,42%,異時性咽頭重複癌の発見率は7%,12%であった.異時性食道多発癌31病変の深達度はEP,LPM 30病変,MM 1病変,SM1以深0病変であり,異時性咽頭表在癌8症例いずれも内視鏡的治療を施行され転移再発を認めていない.【結語】食道表在癌症例に対する咽頭観察を含めた厳重なスクリーニング,サーベイランスが必要である事が示唆された.ヨード染色,画像強調拡大観察併用内視鏡による一年毎の経過観察間隔は妥当と考えられたが今後の症例集積を要するものと思われた. |
索引用語 |
|