セッション情報 ワークショップ3

食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩

タイトル W3-7:

EUSを用いた早期胃癌ESDの結果の予測

演者 柳井 秀雄(国立病院機構関門医療センター臨床研究部)
共同演者 坂口 栄樹(国立病院機構関門医療センター消化器内科), 中鉢 龍徳(国立病院機構関門医療センター消化器内科)
抄録 背景:早期胃癌ESDにおいて,その期待される効果を予測する事は,説明同意に重要である.EUSを用いた早期胃癌ESDの結果の予測について,明らかとする.方法:演者らは,予備的検討の結果から,細径プローブEUSによる早期胃癌深達度診断において,EUS-cT1aを,第3層に変化の無いもの(EUS-M)および変化が1mm未満のもの(EUS-M/SM境界領域)とし,EUS-cT1bを,第3層の変化が1mm以深で第4層に至らないもの(EUS-SM)としている.平成16年4月から平成24年3月までの96か月間に胃EMR,ESDを行った603病変のうち,最終診断が胃癌であった316病変について,治療前EUS所見と最終診断を比較検討した.結果:EUS-cT1aの298病変では273病変91.7%がM癌であった.また,EUS-cT1bの7病変では5病変71.4%がSM癌であった.内視鏡的UL(-)で生検分化型癌かつEUS-cT1aの232病変では216病変93.1%が最終診断で適応拡大病変の範囲までに収まっていた.16病変6.9%は追加手術の適応であったが,そのうち8病変は未分化型混在癌であった.その他の追加手術要因は,分化型SM2癌等であった.結論:内視鏡的UL(-)で生検分化型癌かつEUS-cT1aである事は,早期胃癌病変の治療がESDにより適応拡大病変の範囲までで終了できる事を9割以上の確率で予測していた.ESD前の説明同意に際しては,治療前には予測困難な未分化型混在病変の存在などにより効果予測と最終診断が解離する可能性についての,十分な説明が必要と考えられた.
索引用語