セッション情報 |
ワークショップ3
食道表在癌,早期胃癌に対する内視鏡診断治療の進歩
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タイトル |
W3-10:胃ESD後における2nd-look内視鏡検査の有用性に関する検討:多施設ランダム化試験(THE SAFE TRIAL)
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演者 |
柳下 淳(国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科) |
共同演者 |
藤城 光弘(東京大学医学部附属病院光学医療診療部), The safe trial study group (大阪府立成人病センター消化管内科) |
抄録 |
【目的】胃ESD後における2nd-look内視鏡検査の有用性を明らかにする.【方法】本邦5施設にてランダム化オープンラベル非劣性試験を行った.単発早期胃癌および胃腺腫を対象とし,胃切除術,胃管再建術もしくは上腹部放射線治療既往例,抗血栓薬,ステロイドもしくはNSAIDs投与例,術中穿孔例は除外した.ESD直後に予防的止血術を行い,ESD術後当日に2nd-look内視鏡検査施行群と非施行群に割付した.ラベプラゾール(10mg日)は術前日から術後4週間まで投与し,施行群では翌日に2nd-look内視鏡検査を行った.緊急内視鏡検査にて術後出血の有無を判定した.主要評価項目は術後出血割合とし,ITT解析にて施行群に対する非施行群の非劣性(マージン7%)を検証した.【結果】2012年2月から2013年2月まで,施行群に130例,非施行群に132例を割付し,全例を対象にITT解析を行った.層別因子である,施設,病変部位,術前腫瘍径,術前Ul所見において両群間に有意差は認めなかった.術後出血は施行群に7例(5.4%),非施行群に5例(3.8%)を認めた(リスク差-1.6%[95%CI:-6.7-3.5];P(non-inferiority)=0.0003).遅発性穿孔は1例に認めたが,輸血や緊急手術例はなかった.また切除標本径(>40mm)が出血リスク因子と考えられた(Hazard ratio 6.33[95%CI:1.68-27.25](Cox回帰分析))が,2nd-look内視鏡検査による有意な介入効果は認めなかった(P=0.48).【結論】胃ESD後における2nd-look内視鏡検査はESD後出血の予防に有用ではないと考えられた.(UMIN-CTR 000007170) |
索引用語 |
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