セッション情報 ワークショップ4

消化器癌内視鏡外科手術の最先端

タイトル W4-2:

胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の最先端~Reduced-port laparoscopic gastrectomy(RPG)の有用性~

演者 國崎 主税(横浜市立大学消化器病センター外科)
共同演者 牧野 洋知(横浜市立大学消化器病センター外科), 遠藤 格(横浜市立大学消化器病態腫瘍外科学)
抄録 目的:Reduced-port laparoscopic gastrectomy(RPG;OCTOTM Port+1port)の有用性を明らかにする.対象と方法:同一術者が施行したRPDG 59例,RPTG 30例と5-ports+小開腹創のconventional LADG 45例,CLATG15例の治療成績を比較した.RPG手技:臍部に小開腹創(DG 2.5cm,TG4.0cm)をおきOCTOTM Portを,右側腹部に12mm portを1本留置する.術者は右側に立ち,energy deviceを主に臍部portから挿入し接線方向から操作する.必要に応じ右側腹部portから挿入し左手で操作する.臓器損傷を避け,安全性・安定性が確保できる.右側大網の切離はASPDVを露出するよう膵前筋膜を切離し十二指腸壁まで到達する.No.6はRGEVまで右手で操作,RGEAは左手で操作し根部で処理後,十二指腸を切離する.RGAの処理に先行してCHAを膵上縁で確認し,PHA神経叢を露出させRGA根部を処理する.No.8a/11p郭清時は左手でenergy deviceを操作し,右手で膵臓を尾側に牽引し切離線が膵上縁と平行にし,膵実質を損傷せずNo.11p/dを衝立上に郭清でき,腸間膜化を図りながらGerota fasciaまで露出し郭清できる.RPDGの再建は完全鏡視下にconverse Ω吻合でB-I再建する.RPTGの再建はRoux-en-Y法で,OrVilあるいは断端手縫い吻合でanvil headを挿入する.ドレーンは右側腹部から1本留置する.成績:DG群;術中因子;RPG群は全手術時間(274.0/231.5)が長く,全出血量(63.0/97.2),再建時出血量(15.9/39.0は)は少なかったが,他因子の差はなし.術後合併症は(縫合不全0/1,吻合部狭窄3/2,SSI2/2,膵液瘻1/2)差なし.TG群;術中因子;RPG群は,全手術時間(314.8/263.0),リンパ節リンパ節郭清時間(175.1/135.8)が長く,他因子の差なし.術後合併症は(縫合不全2/1,吻合部狭窄0/1,SSI2/1,肺炎0/1)差なし.アンケート調査では,RPG群で審美的満足度が高かった.結語:RPGは安全に施行可能で,審美性に優れ有用な術式の一つである.
索引用語