セッション情報 ワークショップ4

消化器癌内視鏡外科手術の最先端

タイトル W4-5:

大腸癌に対するロボット手術

演者 渡邉 聡明(東京大学腫瘍外科)
共同演者 須並 英二(東京大学腫瘍外科), 石原 聡一郎(東京大学腫瘍外科)
抄録 da Vinch Surgical Syetemを用いたロボット手術では,三次元モニター下の3D画像を見ながら,手ぶれ防止機能のある関節機能を持った鉗子による繊細な動きが可能であることから,直腸癌手術における神経温存や側方郭清に,その有用性が期待される.そこで,我々は直腸癌に対してロボット手術を導入し,今回その短期成績について検討した.【対象・方法】直腸癌に対してロボット手術を施行した42例について検討した.手術手技は,まず体位を頭右側低位として,6ポートを挿入しdual docking方式で手術を施行した.first dockingでは,patient cartを左尾側よりdockingし,内側アプローチで血管処理を行い,外側からS状結腸を授動し,小骨盤内までの操作を行った時点でundockingした.ポート位置を変更後,再度dockingし骨盤内操作を行った.【成績】男女比は24:18,手術時間(中間値)は412分,set-up時間(中間値)は15分,console時間(中間値)は274分,出血量(中間値)は17gであった.側方郭清は12例に行った.開腹移行例はなかった.術後合併症は7例(17%)に認めた(皮下気腫,末梢神経障害,排尿障害,ポートサイトヘルニア).縫合不全は認めなかった.【結論】直腸癌に対するロボット手術は,術後短期成績では重篤な合併症を認めず,安全に施行できた.また骨盤深部での微細な操作が必要となる超低位前方切除術や側方郭清に有用となる可能性が考えられた.
索引用語