セッション情報 ワークショップ5

SSA/Pと発癌―診断学の到達点

タイトル W5-5:

Endocytoscopyを用いた大腸鋸歯状病変の診断

演者 小川 悠史(昭和大学横浜市北部病院消化器センター)
共同演者 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院消化器センター), 久津川 誠(昭和大学横浜市北部病院消化器センター)
抄録 【目的】これまで我々は大腸腫瘍におけるEndocytoscpy所見(EC分類)を提唱してきた.しかし,大腸鋸歯状病変においてはEC分類に合わない所見も認めていた.今回それら鋸歯状病変のEC所見を解明するため検討を行った.【対象】当院で2005年5月から2013年3月までにEC観察後に切除された大腸鋸歯状病変82病変(hyperplastic polyp[HP]34病変,sessile serrated adenoma/polyp[SSA/P]20病変,traditional serrated adenoma[TSA]28病変)を対象とした.なお,今回の検討からはmixed polypや癌併存例は除外した.【方法】EC所見を腺腔と核に分類した.腺腔の形状を,狭く短いstraight,星型のstar-like,拡張し丸みをおびたoval,腺腔に多くの分枝を伴ったserrated,絨毛状のvillousとした.また,核の形状を主に腺腫で見られる細長い紡錘状のfusiform,正常粘膜や過形成ポリープに見られる小型円形のsmall roundに分類した.EC所見と病理所見についての対比を行った.【結果】腺腔に関しては,star-likeはHPに,ovalはSSA/Pに,viilous及びserratedはTSAに有意に認められた.核ではfusiformはTSAが有意に認められたが,small roundはHPとSSA/P間で有意差は認められなかった.以上より腺腔では,それぞれ鑑別が可能であったが,核に関してはTSAとその他では鑑別可能であったが,HP・SSA/Pでは鑑別できなかった.【結論】Enodcytoscopyを用いた大腸鋸歯状病変の内視鏡診断について検討・報告する.
索引用語