セッション情報 ワークショップ7

バルーン内視鏡による消化器疾患診断と治療の到達点

タイトル W7-12:

術後再建腸管例への内視鏡的アプローチ;ダブルバルーン内視鏡による胆膵内視鏡治療

演者 島谷 昌明(関西医科大学内科学第三講座(消化器肝臓内科))
共同演者 高岡 亮(関西医科大学内科学第三講座(消化器肝臓内科)), 岡崎 和一(関西医科大学内科学第三講座(消化器肝臓内科))
抄録 【背景】胆膵内視鏡治療における困難例として,術後再建腸管を有する胆膵疾患が挙げられる.なぜなら治療を完遂するには2つの大きな難関を突破しなければならないからである.1つ目は盲端部への内視鏡深部挿入で,2つ目はERCP関連処置である.これまで,我々はダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いることでこれらを克服し,従来のERCPとほぼ同等の処置が可能であることを報告してきた.【目的】今回,DBEを用いたERCP(DB-ERCP)について治療成績を再建法別に検討した.【対象と方法】2006年2月~2013年8月までDB-ERCPを施行した283例538件について再建法(Roux-en-Y再建法(R):141例284件,Billroth II再建法(B):64例101件,PDIIa(PD):33例72件,PpPD(Pp):28例55件,その他:17例26件)別に次の項目を検討した.1)盲端部到達率2)胆管造影成功率3)ERCP関連処置成功率4)偶発症.【成績】1)R:277/284件(97.5%),B:101/101件(100%),PD:71/72件(98.6%),Pp:54/55件(98.2%)その他:26/26件(100%).2)R:270/277件(95.7%),B:95/101件(94.1%),PD:70/71件(98.6%),Pp:53/54件(98.1%),その他:24/26件(92.3%).3)R:270/270件(100%),B:95/95件(100%),PD:70/70件(100%),Pp:53/53件(100%),その他:24/24件(100%).4)23/538件(4.3%)の発生率で,穿孔・裂傷・術後膵炎などを認めた.穿孔・裂傷に対してはクリップなどの縫縮術を施行し,大部分は保存的に軽快した.【まとめ】DB-ERCPはconventional ERCPと同等の処置が可能であった.偶発症も4.3%と許容範囲内であると考えられた.今後DB-ERCPがgold standard therapyとなるべく,有用性・安全性を確かめるための前向きstudyや内視鏡機器・デバイスの開発など,今後更なる発展が期待される.
索引用語