セッション情報 ワークショップ8

B型肝炎抗ウイルス療法の進歩と課題

タイトル W8-7:

B型慢性肝炎に対するPEG-IFN Sequential療法の治療効果

演者 玉城 信治(武蔵野赤十字病院消化器科)
共同演者 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院消化器科)
抄録 【目的】B型慢性肝炎に対するSequential療法およびPEG-IFN単独療法の治療効果について検討した.【方法】2011年以後にPEG-IFN単独療法,Sequential療法を行った32例および24例を対象とし治療効果の比較を行った.Sequential療法は核酸アナログ長期投与例に対して4週の併用を行った後PEG-IFN単独でさらに44週投与を行った.また2011年以前のPEG-IFN単独療法8例,従来型IFN単独療法109例の長期経過観察での治療効果を検討した.【結果】Sequential療法症例の核酸アナログ治療期間は平均4年であった.Sequential療法の87%の症例では核酸アナログ中止後もHBV-DNAの陰性を維持した.HBe抗原陰性化率は,Sequential療法では43%,PEG-IFN単独療法では18%であった.HBs抗原量の減少頻度は≧1log/≧2log/陰性化がSequential療法では33%/27%/13%,PEG-IFN単独療法では14%/4%/0%であり,Sequential療法にてHBs抗原量の減少が高率であった.Sequential療法導入時のHBs抗原量(<1000/1000-10000/>10000 IU/L)で層別化したHBs抗原量1log以上の減少率は,75%/25%/0%であり,HBs抗原量<1000 IU/L症例でHBs抗原量減少効果が高かった.PEG-IFN単独療法後の長期経過観察例(平均観察4年)では,セロコンバージョン:57%,Drug free:71%,HBs抗原陰性化:25%であった.IFN単独療法(平均観察9年)の35%に核酸アナログの追加投与を行い,うち8%でHBs抗原陰性化が得られた.【結語】核酸アナログ長期投与後のSequential療法はPEG-IFN単独療法と比較し短期的に高率にHBs抗原量を減少させる.PEG-IFN単独療法でも長期経過によりHBs抗原陰性症例が増加する.
索引用語