セッション情報 ワークショップ10

プロテアーゼ阻害剤の知見と問題点

タイトル W10-8:

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法治療効果予測におけるIFNL4 Genotypeの意義

演者 宮村 達雄(千葉大学医学部消化器腎臓内科学)
共同演者 神田 達郎(千葉大学医学部消化器腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大学医学部消化器腎臓内科学)
抄録 【目的】G1型高ウイルスC型慢性肝炎に対して3剤併用療法が標準的治療として広く行われている.今回,IFNL3 GenotypeおよびIFNL4 Genotypeの治療効果予測について検討した.【対象と方法】対象は当科及び関連施設において3剤併用療法を施行しSVR判定が可能であり文書による同意の得られた39例(M/F:29/10;平均年齢58.2±8.7歳)である.IFNL3 GenotypeおよびIFNL4 GenotypeはTaqMan MGB probe法にてrs8099917およびss469415590をそれぞれ決定した.臨床背景,IFNL3 GenotypeおよびIFNL4 Genotypeと治療効果に注目して検討した.【成績】1)治療歴に関しては初回治療/前治療再燃/前治療無効:17/19/3であった.TVRの投与量に関しては1500 mg/日および2250 mg/日が11例および28例であった.2)SVRは32例(82%)で認められ,再燃2例,無効5例であった.3)IL28B Genotypeの検討ではTT,TGがそれぞれ26例,13例であった.またIFNL4 Genotypeの検討ではTT/TT,TT/ΔGおよび判定不能がそれぞれ24,13および2例であった.4)39例中IFNL3 GenotypeおよびIFNL4 Genotypeの不一致は2例認められた.IFNL3 Genotype TTかつIFNL4 Genotype TT/TT症例で91.3%(21/23)のSVR率が得られた.5)不一致の2例に関してはIFNL3 Genotype TT,IFNL4 Genotype TT/ΔGの症例が無効,IFNL3 Genotype TG,IFNL4 Genotype TT/TTの症例でSVRが得られた.【結論】C型慢性肝炎に対する3剤併用療法の治療効果は良好であった.IFNL3 Genotypeに加えIFNL4 Genotypeを測定することにより,更なる治療成績向上が可能であると考えられた.
索引用語