セッション情報 |
ワークショップ11
高齢者総胆管結石の管理と治療の問題点
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タイトル |
W11-8:高齢者における総胆管結石に対するEBD長期留置法の検討
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演者 |
宮島 真治(天理よろづ相談所病院消化器内科・内視鏡センター) |
共同演者 |
塩 せいじ(天理よろづ相談所病院消化器内科・内視鏡センター), 大花 正也(天理よろづ相談所病院消化器内科・内視鏡センター) |
抄録 |
【方法】2004年から2012年まで,総胆管結石の初回内視鏡治療として,高齢者において,基礎疾患を考慮し切石をせずEBD留置単独(EST付加例を含む)での経過観察を試みた112例(前期高齢者19例/後期高齢者44例/超高齢者49例)(以下EBD群)を同時期にEST・切石を施行した185例(以後切石群)と比較検討した.【結果】1)主な偶発症:EBD群で急性膵炎4例(重症2例),後腹膜穿孔1例.切石群で急性膵炎4例(重症2例),後腹膜穿孔3例,採石時結石嵌頓1例,出血1例.2)初回治療に要した入院期間;EBD群で平均10.5日と切石群15.4日より有意に短い,またERCP施行回数もEBD群で平均1.2回と切石群2.1回より有意に少ない.3)治療後胆管炎(結石再発も含めた)発症:EBD群で2年間で50%と切石群17%に比し有意に高値.112例中EST付加例13例では2年間で37%と非付加例に比し低い傾向を認めた.また超高齢者では2年間で58.1%と前・後期高齢者に比し更に高い傾向を認めた.治療後胆管炎発症までの期間は平均値9.4ヶ月と切石群16.0ヶ月に比し短い.EBD交換施行例で2回目以降で同期間は8.2ヶ月と更に短縮する傾向を認めた.EBD交換時に偶発症は認めなかった.4)生命予後:EBD群では114例中20例で経過中永眠.2例は原病死(1例は重症急性膵炎にて),他18例は他病死.【考察】高齢者に対するEBD長期留置法は1)切石施行に比し入院期間は短縮,手技回数は低下する.2)全身状態不良の患者群に対し切石施行と同程度の偶発症で施行可能,短期治療効果は同等.3)切石施行より胆管炎や結石再発を高率かつ早期に来し,特にEBD交換例では早期に胆管炎再発を来し易い.4)EST付加例では胆管炎発症が低い傾向あり.5)高率に原病死を回避し得る治療であり,切石施行困難な全身状態不良患者への治療として有用と考える. |
索引用語 |
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