セッション情報 | Research Forum1炎症性腸疾患の病態と診断 |
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タイトル | RF1-2:難治性潰瘍性大腸炎に対するTacrolimusの長期成績と投与終了後再燃の予測因子の検討 |
演者 | 黒羽 正剛(東北大学病院消化器内科) |
共同演者 | 内藤 健夫(東北大学病院消化器内科), 日下 順(東北大学病院消化器内科), 小野寺 基之(東北大学病院消化器内科), 只野 敏浩(東北大学病院消化器内科), 川上 瑶子(東北大学病院消化器内科), 平本 圭一郎(東北大学病院消化器内科), 松下 勝則(東北大学病院消化器内科), 奈良 志博(東北大学病院消化器内科), 宮澤 輝子(東北大学病院消化器内科), 下平 陽介(東北大学病院消化器内科), 志賀 永嗣(東北大学病院消化器内科), 遠藤 克哉(東北大学病院消化器内科), 木内 喜孝(東北大学保健管理センター), 下瀬川 徹(東北大学病院消化器内科) |
抄録 | [背景]難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対する新たな寛解導入療法としてTacrolimus(Tac)が登場し治療成績の向上が期待されている.Tacは寛解導入において広く利用されているが維持効果についてはエビデンスがなく,現行の保険診療では原則3カ月までの投与となっている.その為チオプリン製剤へのbridging therapy(BT)が必要となるが,投与終了後再燃する症例も少なくない.[目的]UCに対するTacの長期治療成績,投与終了後の再燃の現状を明らかにする(検討1).またTac中止による再燃の予測因子を抽出する(検討2).[対象と方法]対象は当院でTacにより寛解導入された難治性UC37名.寛解の定義はDAI≦2,EI≦4としてretrospectiveに検討した.Tac終了後再燃の定義は中止3ヶ月以内に再燃した症例とした.[結果](検討1)Tacにより寛解導入したUC37例のうち26例(70%)が有効,11例(30%)は無効であった.有効26例のうち7例(26.9%)がTac内服中(3ヶ月以内)に再燃.Tac内服3ヶ月後16例(61.5%)が臨床的,内視鏡的寛解であったが,BTにより8例(50%)が再燃した.このうち4例で再投与したが無効であった.(検討2)Tac内服3ヶ月間寛解状態であった16症例のうち再燃が8例,非再燃が8例であった.再燃群,非再燃群の患者背景因子は平均年齢(28.9±11.8:37.3±11.6),男女比(4/4:4/4),平均罹患期間(3.83±3.18:8.67±3.18),投与前平均DAI(8±1.15:8.14±1.86),平均EI(8.14±0.37:7.42±2.29)で,統計学的な有意差はないが比較的若年者,罹患期間が短い症例に再燃する傾向があった.[結論]Tacにより寛解導入された難治性UCは臨床的,内視鏡的寛解症例においても約半数(50%)が再燃する結果であった.特に若年者,罹患期間が短い症例は再燃リスクが高い傾向があり,Tac長期内服を含めた維持療法の確立が望まれる. |
索引用語 |