セッション情報 | Research Forum1炎症性腸疾患の病態と診断 |
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タイトル | RF1-7:潰瘍性大腸炎手術における術前栄養学的因子としてのSarcopeniaの意義 |
演者 | 藤川 裕之(三重大学消化管・小児外科学) |
共同演者 | 荒木 俊光(三重大学消化管・小児外科学), 大北 喜基(三重大学消化管・小児外科学), 森 浩一郎(三重大学消化管・小児外科学), 野口 智史(三重大学消化管・小児外科学), 小池 勇樹(三重大学消化管・小児外科学), 大竹 耕平(三重大学消化管・小児外科学), 廣 純一郎(三重大学消化管・小児外科学), 三枝 晋(三重大学消化管・小児外科学), 井上 幹大(三重大学消化管・小児外科学), 問山 裕二(三重大学消化管・小児外科学), 小林 美奈子(三重大学消化管・小児外科学), 大井 正貴(三重大学消化管・小児外科学), 田中 光司(三重大学消化管・小児外科学), 井上 靖浩(三重大学消化管・小児外科学), 内田 恵一(三重大学消化管・小児外科学), 毛利 靖彦(三重大学消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大学消化管・小児外科学) |
抄録 | 【背景】潰瘍性大腸炎における術後合併症に対して様々な危険因子が報告されており低栄養もその一つである.Sarcopeniaは筋肉量低下を示した病態であるが,栄養に関連して生じるものも含まれ栄養学的指標としても用いられる.【目的】当科で施行された潰瘍性大腸炎手術症例における術前栄養学的因子と術後合併症との関連を検討することとした.【対象と方法】当科で回腸嚢肛門吻合術を施行した潰瘍性大腸炎168例を対象とした.緊急手術症例および15歳未満の症例は除外した.栄養学的因子には小野寺らのPrognostic nutoritional index(PNI)の他,術前にCTが施行されていた38例についてはSarcopeniaの指標であるTotal psoas area(TPA)を身長で正規化して計測した.術後合併症のうちClavian-Dindo分類でGrade3以上を重症合併症と定義した.【結果】対象症例の平均病悩期間は6.7年,平均体重は55.1kg,平均BMIは20.5,平均理想体重比率は93.4%であった.術後合併症は80例(47.6%)に認め,術後感染性合併症は36例(21.4%)に認められた.また,術後重症合併症は44例(26.1%)に認め,術後重症感染合併症は17例(10.1%)に認められた.PNIは術後重症感染合併症発症群において非発症群に比べ有意に低値でありTPAは術後感染合併症発症群において非発症群に比べ有意に低値であった.多変量解析においてTPA低値は術後感染合併症の独立した危険因子であった(p=0.01).【結論】潰瘍性大腸炎におけるsarcopeniaは術後感染合併症の発症に関連していることが示唆され,栄養学的指標の改善が術後感染合併症の減少につながると考えられた. |
索引用語 |