セッション情報 Research Forum2

炎症性腸疾患の治療戦略

タイトル RF2-4:

クローン病におけるInfliximab二次無効例に対する治療戦略

演者 松岡 克善(慶應義塾大学消化器内科)
共同演者 久松 理一(慶應義塾大学消化器内科), 高林 馨(慶應義塾大学消化器内科), 水野 慎大(慶應義塾大学消化器内科), 中里 圭宏(慶應義塾大学消化器内科), 三枝 慶一郎(慶應義塾大学消化器内科), 武下 達矢(慶應義塾大学消化器内科), 南木 康作(慶應義塾大学消化器内科), 竹下 梢(慶應義塾大学消化器内科), 森 清人(慶應義塾大学消化器内科), 矢島 知治(慶應義塾大学消化器内科), 長沼 誠(慶應義塾大学内視鏡センター), 井上 詠(慶應義塾大学予防医療センター), 緒方 晴彦(慶應義塾大学内視鏡センター), 岩男 泰(慶應義塾大学予防医療センター), 金井 隆典(慶應義塾大学消化器内科)
抄録 【背景】Infliximab(IFX)はクローン病に対して高い有効率を示す一方で,維持投与中に効果が減弱する二次無効例が存在する.IFX二次無効例に対しては,10mg/kgへの増量やAdalimumab(ADA)への変更などの治療選択肢がある.【目的】クローン病におけるIFX二次無効例に対する実臨床における治療選択および治療効果を検証する.【方法】当院でIFX投与を行ったクローン病症例について二次無効の発生頻度,および二次無効に対するIFX 10mg/kg増量もしくはADAへの変更の有効性を後ろ向きに検討した.【結果】当院でIFXを行った214例について,IFX治療強化(投与期間短縮もしくは増量)もしくはADAへの変更を必要とせず,かつCRPが持続陰性であったのは120例(56.1%)であり,約半数の症例でIFXの効果減弱を認めていた.このうち10mg/kgへの増量は39例で行われ,ADAへの変更は19例で行われていた.10mg/kgへの増量によって,半年後のCRP値は39例中13例(33.3%)で陰性化していた.また,ADAへの変更例では19例中4例(21.1%)で半年後のCRP値の陰性化を認めた.IFX増量,ADAへの変更のいずれの群においても,CRP値が陰性化した症例と陰性化しなかった症例で,臨床的な治療効果予測因子は同定できなかった.【結論】IFX二次無効例に対して,10mg/kgへの増量やADAへの変更はある程度有効な治療法であった.しかし,どちらの治療法を選択するのがよいのか,実臨床では明確な基準や予測因子がないのが実状である.IFX血中濃度やAntibodies to IFX(ATI)の測定が可能となることが望まれる.
索引用語