セッション情報 |
Research Forum3
肝炎の病態と内科治療
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タイトル |
RF3-4:血清酸化ストレスマーカーd-ROMsはNAFLD患者における肝炎症マーカーになりうる
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演者 |
藤原 直人(東京大大学院・消化器内科) |
共同演者 |
建石 良介(東京大大学院・消化器内科), 小池 和彦(東京大大学院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】血清中の活性酸素・フリーラジカルによる代謝物であるヒドロペルオキシドを測定することができるd-ROMsが近年普及しつつある.NAFLD/NASHの病理像とd-ROMsの関係を明らかにすることを目的とした.【方法】2012年12月から2013年9月までにFibroscan≧7kPaまたは過去6カ月のAST/ALT高値,特定の肝炎の原因なし,1日飲酒量20g以下の基準を満たすNAFLD患者68人(平均年齢=49.8±15.1歳,男/女=45/23,BMI 28.3±4.7kg/m2)を対象に肝生検を施行した.NAFLD Activity Score(NAS)に基づくFibrosis stage,Steatosis,Ballooning,Lobular inflammation(LI)のGradeとd-ROMs測定値との相関を検討した.特に差がみられた項目に関しては感度・特異度・AUROCを算出し,またd-ROMsが肝胆道系酵素・hsCRPと相関しないことを確認の上,ロジスティック回帰による多変量解析を行い,d-ROMsが肝炎症の独立した予測因子となりうるかも検討した.【結果】NASの各項目とd-ROMsの相関はFibrosis(p=0.14),Steatosis(p=0.88),Ballooning(p=0.086),LI(p=0.009)であり,LIとd-ROMsの間に有意な相関関係を認めた.炎症の有無(LI 0 vs≧1)に対するd-ROMsの感度,特異度,AUROCを算出すると80%,91%,0.78(カットオフ値=328)であった.AST,ALT,AST/ALT比,GGT,ALP,hsCRP,およびd-ROMsを用いた多変量解析の結果,hsCRP,d-ROMsが独立した予測因子であった.ロジスティック回帰により求めた回帰係数に基づきScore=0.019×d-ROMs+72.7×hsCRPというスコアを作ると肝炎症の有無に対する感度,特異度,AUROCは89%,91%,0.94(カットオフ値=9.3)であった.【結論】d-ROMsはNAFLD患者における肝炎症の独立した予測因子となり得る. |
索引用語 |
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