セッション情報 Research Forum3

肝炎の病態と内科治療

タイトル RF3-5:

TVR3剤併用療法の早期HCV動態から見た治療効果予測

演者 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器肝臓科)
共同演者 高口 浩一(香川県立中央病院肝臓内科), 井出 達也(久留米大学消化器内科), 加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター臨床医学研究所), 豊田 秀徳(大垣市民病院消化器内科), 熊田 卓(大垣市民病院消化器内科), 佐田 道夫(久留米大学消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎(CHC)に対するTVR3剤併用療法によりSVR率は著明に向上したが,なおSVRを達成できない症例が存在する.また副作用も多く治療早期にSVRを予測できるマーカーがあれば実臨床上非常に有用である,そこで治療開始1週後のHCV動態から治療効果予測が可能か否かを検討した.【方法】対象はGenotype1bのCHCで治療開始1週後のHCV RNAを測定し,T12PR24を施行しSVR判定可能である156例.【成績】1)SVR率は80%(125/156).前治療歴別ではnaive/relapser/partial responder/null responderで85%(66/78)/96%(48/50)/57%(8/14)/21%(3/14)と4群間で有意差を認めた(p<0.0001).IL28B(rs8099917)別ではTT/non-TTで96%(102/106)/46%(23/50)とnon-TTで有意にSVR率は低率であった(p<0.0001).2)多変量解析でIL28B SNP TT(OR 73.7,p<0.0001),1週後のHCV減少量≧4.7log(OR 19.0,p=0.0029),RVR(OR 12.6,p=0.0032),naive/relapser(OR 5.6,p=0.0224)が抽出された.non-TTのみの解析では,1WのHCV減少量≧4.7log(OR 29.4,p=0.0043),RVR(OR 18.0,p=0.0156),relapser(OR 9.2,p=0.0461)が独立因子であった.3)PPV/NPV:IL28B non-TTでは1週後のHCV減少量≧4.7logで83%/75%,RVRで66%/89%,両者の組み合わせで100%/75%であり,SVRは1週後のHCV減少量で,non-SVRはnon-RVRで高率に予測ができた.【結論】IL28B TTでは早期HCV動態に関わらず高率にSVRが達成された.non-TTでは1・4週後のHCV動態から高率にSVR/non-SVRの予測が可能であった.今後第一選択薬となるSMV治療はRGTに基づいておりTVR治療で得られた知見と同様の結果が得られるか否かの検証が必要である.
索引用語