セッション情報 Research Forum3

肝炎の病態と内科治療

タイトル RF3-8:

IL28B minor genotypeのC型慢性肝炎に対する3剤併用療法における再燃に寄与する因子の検討

演者 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科)
共同演者 厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 安部 宏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器肝臓内科), 中川 愛(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 糸川 典夫(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 福田 健(日本医科大学消化器内科学), 松下 洋子(日本医科大学消化器内科学), 楢原 義之(日本医科大学消化器内科学), 中塚 雄久(日本医科大学消化器内科学), 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 川本 智章(日本医科大学消化器内科学), 坪田 昭人(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター), 相澤 良夫(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器肝臓内科), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学)
抄録 【目的】1型,高ウィルス量のC型慢性肝炎(CHC)に対する標準的治療はPEG-IFN/RBV/TVRの3剤併用療法でありその成績は良好である.一方IL28B minorの症例も多くはETRを獲得するが一部に再燃を認めSVR率が低下する.そこでIL28B minorの症例において再燃に寄与する因子の検討を行った.【方法】1型高ウィルス量のCHC患者269例のうち3剤併用療法を施行されたIL28B minorの71例について検討した.【結果】対象は男性36例,女性35例,年齢の中央値は61歳(18-25),初回,再燃例が44例,NRが26例,1例が不明であった.SVRが66.2%(47/71),再燃が33.8%(24/71),一方NRは認めなかった.再燃に寄与する因子として単変量解析では前治療NR,WBC,Hb,Plt,AST,non RVRが抽出された.多変量解析では前治療NR(p=0.0242,Odds ratio(OR):5.387)とWBC(p=0.0433,OR:1.079)が抽出された.治療前因子を除き,薬剤投与量,HCVの減衰などの治療後因子を加えて多変量解析を施行したところnon RVR(p=0.0246,OR:7.118)が再燃に寄与する唯一の独立因子として抽出された.前治療NRのうち14例中9例が再燃を来したが,残りの5例はSVRを達成し,この5例全例に48週の延長投与が施行されていた.またIL28B minorかつnon RVRであっても15例中6例がSVRを達成し,その内4例で48週の延長投与が施行されていた.【結論】IL28B minor genotypのCHCに対する3剤併用療法において再燃に寄与する因子は,治療前因子として前治療NR,治療後因子としてRVRの有無が重要であった.またnon RVR症例や前治療NR症例であっても48週の延長投与を施行することでSVR率を向上させることができる可能性が示唆された.
索引用語